糖尿病リスクが約2.3倍に

睡眠時無呼吸症候群の問題は、日中の眠気や疲労感だけではありません。睡眠中に呼吸停止を繰り返すことで間欠的な低酸素状態が生じ、炎症反応や酸化ストレスが引き起こされることで、高血圧や心血管疾患などの発症リスクにも関与すると考えられています(McNicholas. 2009;Kheirandish-Gozal and Gozal. 2019)。

特に高血圧との関連については、多くの研究で調べられています。約6000人を対象としたデータ解析では、睡眠1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数を示す「無呼吸低呼吸指数(AHI)」が10回増えるごとに、高血圧を伴う可能性が17%上昇することが報告されました(Xia et al., 2018)。

血圧計で血圧を測る
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また、代謝異常である糖尿病との関連も指摘されています。300万人規模のデータを調査した研究では、睡眠時無呼吸症候群の人は、そうでない人と比べて糖尿病リスクが約2.3倍高く、特に50歳未満の層では約3.3倍と、より強い関連が認められました(Huang and Chen, 2025)。

メンタルヘルスとも関連している

さらに、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患との関連も報告されています。2万5000人以上のデータをまとめた研究では、睡眠時無呼吸症候群の人は心血管イベントの発生リスクが約1.8倍に上昇し、重症例においては約2.5倍にまで高まることが示されています(Craciun et al., 2025)。

また、睡眠時無呼吸症候群は、身体的な疾患だけでなく、メンタルヘルスとも関連しています。海外の研究では、睡眠時無呼吸症候群の患者の35%に抑うつ症状、32%に不安症状が認められました(Garbarino et al., 2018)。

このように、睡眠時無呼吸症候群は「単なる眠気の問題」ではなく、長期的な健康や日中の生活にも影響する疾患です。「少し眠いだけ」と自己判断で放置するのではなく、睡眠中の呼吸状態に目を向け、必要に応じて適切な対応につなげることが大切なのです。