「億り人」が絶対にサボらない作業
それゆえ、裏技や必勝法を期待して凄腕投資家の投資本を手に取った読者からすれば、一次情報の重要性が強調され、「下ごしらえ」の内容、やり方が丁寧に説明されていると、肩透かしを食らったように感じるのではないでしょうか。
凄腕投資家は「下ごしらえ」を大事にしていて、彼らのほとんどが、一次情報を読むのに時間をかけていると、断言できます。
なぜなら、私が主催する投資イベントKabu Berryに集う数多くの「億り人」、凄腕投資家たちが、このIR資料・一次情報をしっかり読むプロセスをサボっていないことを、私自身がこの目で見てきたからです。彼らが違いをつくる大きな要素が「下ごしらえ」なのです。
また、プロである機関投資家も、当然のことながら一次情報をしっかりと見ています。しっかりと実績ある投資家たちが注意を向けてチェックしているものに時間をかけるのは、遠回りのように見えて近道だと確信しています。
最近話題になった個人投資家なのなのさんの著書『 マンガでわかる高配当株投資「完全」入門』(KADOKAWA)でも「投資する前に必ず会社四季報や決算説明資料などのIR情報を確認するようにしましょう」と述べられていましたが、私はこれを読みながら「読者のみなさまはその確認の具体的な手法を知りたいのでは」と感じました。
もちろん手法は人それぞれですが、一次情報がその一歩目であることは間違いありません。
『会社四季報』だけでは不十分なワケ
では、なぜ凄腕投資家や機関投資家は、時間をかけて一次情報をしっかりとチェックするのでしょうか。その理由は「他の投資家よりもすこしでも早く、良い企業なのか、さらに深掘りしたい企業であるかどうかを確かめたいから」ということに尽きます。
会社四季報のスクリーニングでは、そうした確認が不可能だと彼らは経験的に悟っています。
良い銘柄を、他の投資家よりも先に見出すにはどうすればいいのでしょうか? それは、次に発表される決算の見通しを自分で立てられるということです。
上場企業のほとんどは決算発表ごとに業績予想を公表しますし、会社四季報も独自の業績予想を載せています。しかし、これらはあくまで予想に過ぎず、上方修正、下方修正は頻繁に起きるものです。
となると、自ら頭を使い、手を動かし業績予想することが他の投資家よりも早く良い銘柄を見出す優位性になるのです。

