今度は、必要なものを食べる工夫へ
10mgに増量すると、また状況が変わりました。投与から約48時間後、早朝、ゴルフの練習を終えても、ほとんど食欲がありません。体重は77.9kg。BMIは27.9となり、私の記録では初めて28を切りました。
さらに翌朝、投与から約72時間たつと、少しだけ食欲が戻ってきました。感覚的には、食欲が「0」から「2」になった程度です。気持ち悪さやふらつきはありませんでしたが、少し手に力が入りにくい感覚がありました。そこでオレンジジュースを飲み、冷やっこ、納豆、ドライアプリコットを口にしました。
以前は「どうやって食べないか」ばかり考えていました。今は「どうやって必要なものを食べるか」を考えています。20年以上ダイエットとリバウンドを繰り返してきた私には、妙な逆転でした。
体重が減ると「もう少し」と思う
90.1kgから77kg台へ。体重計の数字が下がれば、やはりうれしいです。しかし、数字が下がること自体が目的になると、別の落とし穴があります。
それでも毎朝、数字が減れば「もう少しいける」と思います。方法が変わっただけで、数字に支配されてしまえば、20年間の自己流ダイエットと同じなのかもしれません。
私の生活では、会食も避けて通れません。医師、出版社、編集者、メディア関係者などと食事をしながら話す機会が多く、会食そのものが好きです。だから「治療中だから会食を全部やめる」という選択は現実的ではありません。
高齢の母の生活を支えることも日常の一部で、自分の食事だけを中心に毎日を組み立てることはできません。治療を生活に合わせるのか。生活を治療に合わせるのか。おそらく、そのどちらか一方だけでは続かないのだと思います。
気づけば31年ぶりに走っていた
冒頭で書いたように、私は29年前に左膝を手術し、その前から「走る」という動作から遠ざかっていました。ゴルフに復帰してからも、膝をかばいながら恐る恐る続けてきました。最近になって、以前なら諦めていた点滅中の青信号を、早歩きで渡れるようにはなっていました。
そして8月24日。ゴルフ場で打ったボールを探していた時、少し先にボールらしきものが見えました。私は無意識にそちらへ向かいました。途中で、はっとしました。
「あ、俺、走ってる」
走ってみようと決めたわけではありません。身体が先に動いていたのです。「あ、走れるんだ」少なくとも31年ぶりでした。
2日後、以前から両膝のPRP治療を受けている順天堂医院の齋田良知先生に、そのことを報告しました。約13kg体重が減ったことを伝えると、齋田先生は「それもあるんじゃないですか」と話しました。
もちろん、走れるようになった理由を体重減少だけに求めることはできません。私は以前からPRP治療を受け、ゴルフの練習や身体のケアも続けています。それでも私には、「13kg減った」という数字より、できなくなっていたことが、ある日ふと日常の中に戻ってきたことのほうが、はるかに大きな出来事でした。

