経費だけで胃が痛くなるような生活

その筆頭に挙がるのが「人件費」です。

国から給与が出る公設秘書は3人までですが、東京の議員会館と地元の選挙区事務所の両方をたった3人で回せる国会議員など、ほぼ存在しません。与野党問わず、大半の議員が私設秘書を何人も雇っています。

落選する直前まで、私の事務所には地元の埼玉に4人、東京の国会に2人の計6人の秘書がいました。これは少ないほうで、私がベテランの域に達していて国会対応のコツが分かっていたため、東京を2人で回せましたが、通常はもっと多くの人手が必要です。

国から給与が出ない残り3人分の私設秘書の人件費は、私の歳費や調査研究広報滞在費から捻出するしかありません。

現金と給与袋と電卓
写真=iStock.com/Yusuke Ide
※写真はイメージです

加えて、家賃。事務所は少なくとも地元のそれなりに便利な場所と東京の2カ所に常設しなければなりません。

東京の議員会館は家賃が不要ですが、さまざまな事務経費は東京と地元の事務所で二重に必要です。選挙の時期になれば、さらに特設の選挙事務所を臨時で借りなければなりません。

移動のための車両代とガソリン代。ポスターやチラシなどの印刷代。北海道などの広大な選挙区を持つ議員にいたっては、広さゆえに地元事務所を3カ所も4カ所も維持し、移動用のガソリン代など、経費だけで胃が痛くなるような生活を送っています。

民間で起業したほうがずっと稼げる

「政治献金を集めればいい」と思われるかもしれませんが、野党の議員で十分な資金を献金でまかなえている人はごく一部。年間1000万円規模の献金を集められる人など、そう多くはありません。

結果として、野党議員のほとんどが、国から支給された歳費を自分の政治団体へ「寄付」して運転資金に充てており、手元に残る個人の生活費は、一般的な中堅サラリーマンとさほど変わりません。

ですから、私は断言します。もし「お金儲け」を目的に政治家になろうとしている人がいたら、考え直したほうがいい、と。

こんなに効率の悪いことはありません。しかも、衆議院議員であれば、4年に1回(あるいはそれより短期間で)職を失うリスクを常に抱えている不安定な立場でもあります。

選挙で何万人もの人間を巻き込めるほどのバイタリティと能力があるなら、民間でビジネスを起こしたほうが、ずっと稼げるはずです。