天皇皇后両陛下の長女・愛子さまは、11月17日から21日まで、単独でシンガポールを公式訪問する予定だ。皇室史に詳しい島田裕巳さんは「その活躍ぶりは目覚ましいものがあるが、日増しに公務などの責任は重くなっているものの、それに見合う内親王の将来が約束されていない」という――。

重責でも見通せない愛子さまの将来

愛子内親王が大学を卒業して2年半になるが、その活躍ぶりには目覚ましいものがある。それは誰もが認めるところであろう。

先日も、コンビニの棚に並んだ女性週刊誌の表紙に思わず目を引かれたが、3誌とも表紙は愛子内親王だった。カレンダーが人気なのは去年からのことだが、今年は何種類も頒布はんぷされている。

だが、同時にこんな思いもよぎる。12月1日に、愛子内親王は25歳の誕生日を迎えることになるのだが、その将来ということになると、実ははっきりしない。日増しに公務などの責任は重くなっているものの、それに見合う将来が約束されていないのだ。

果たしてそれでいいのか。今回は、それについて考えたい。

秋の園遊会に出席された天皇、皇后両陛下の長女愛子さま=2026年10月29日、東京・元赤坂の赤坂御苑[代表撮影]
写真=時事通信フォト
秋の園遊会に出席された天皇、皇后両陛下の長女愛子さま=2026年10月29日、東京・元赤坂の赤坂御苑[代表撮影]

責任が増していることは、何より皇室外交の担い手として重要な役割を課せられているところに示されている。

11月17日から21日にかけては、シンガポールを単独で訪問することになっている。それも、日本とシンガポールの間で外交関係が樹立されてから、60周年を迎えるからである。現地の主要紙『聯合早報』などでも、その訪問は事前に報じられている(聯合早報・10月23日付)

愛子さまのシンガポール訪問の重要性

シンガポール滞在中は大統領を表敬訪問し、大統領主催の食事会への出席や施設の訪問などが予定されている。

2006年の40周年には、当時は天皇に在位していた現在の上皇夫妻が国賓としてシンガポールを訪れている。50周年の際には、シンガポールの大統領夫妻が国賓として日本を訪れている。

そこからも、今回の愛子内親王のシンガポール訪問が重要なものであることがわかる。しかも、シンガポールは高い経済水準を誇り、国際金融のハブの役割を果たしている。愛子内親王の最初の海外訪問はラオスだったが、経済という面では、シンガポールのほうがはるかに日本にとって重要である。

来年になれば、ヨーロッパを訪問する可能性も出てくるだろう。そうした機会を重ねていけば、愛子内親王の重要性はさらに増していく。もちろん、シンガポールを訪問することは、愛子内親王の意思で決定されるものではない。事前にシンガポールの側から招待があり、それが閣議で了解されるという手順をとる。

こうした皇室外交は、どの国に対しても親善を深める上で、極めて重要な役割を果たしている。まして愛子内親王は天皇家に生まれた唯一の子であり、注目度は高い。シンガポールでも、それにふさわしい歓迎を受け、その人気も高まっていくに違いない。反響が注目される。