貢献求めども将来を保証しない政治家
もちろん、愛子内親王や佳子内親王など、改正法施行時の内親王・女王には、結婚したからといって、皇族としての身分保持が強制されるわけではない。本人の意思で、結婚と同時に皇室を離れるという選択肢も認められている。
ただし、日本の国を代表して各国を訪問した実績を持つ内親王が、皇室を離れるという選択をすることも、それはそれで難しい。
天皇もそうだが、皇族は自分の将来を自分で決めることができない。それについて、自らの考えや意思を表明することも制約されている。だからこそ、皇室典範を改正した政治家は、皇室に対する十分な配慮が必要なはずなのだが、今回、その点について必要な策を施したとは思えない。
むしろ、その逆である。
女性皇族には十分な働きをしてほしいが、それに報いる将来は保証しない。それが、現在の政治のあり方である。
なにしろ天皇や皇族が皇室外交に携わらなくなれば、政治家はそれに代わる手立てを容易には講じられない。相手国とどういった形で友好を深めていくのか。政治家自身が同じ役割を担うことは難しいし、現地で同じような大歓迎を受けるとは限らない。
こうした女性皇族に対する扱いは、企業における女性の立場と共通したものを持っている。
女性首相誕生でも少ない女性管理職
最近の企業においては、女性は不可欠な戦力になっており、女性が働くのは当たり前になっている。
ところが、内閣府の「令和7年版男女共同参画白書」を見ると、次のような結果だった。常用労働者100人以上の企業で、役職者に占める女性の割合は、2024年時点で係長級24.4%、課長級で15.9%、部長級になると9.8%にとどまっている。
就業者に占める女性の割合は45.5%で、諸外国と比較して大きな差はない。しかし、管理的職業従事者に占める女性の割合は、諸外国ではおおむね30%以上なのに、日本はわずか16.3%にすぎないのだ。
ようやくにして女性首相は誕生し、組織のトップに女性が立つことも珍しくはなくなっているものの、全体から見た場合、日本の女性が企業において責任ある立場に立つことは相当に少ないのである。
これこそが、現在の日本社会が抱える根本的な問題の一つである。そうした問題が、皇室にも反映されていると見ることができる。現在政権の座にある高市早苗首相は、果たしてこの問題にどのように対応しようとしているのか。残念ながら、それがわからないのだ。

