高齢者の人生経験を指針にする
ここで、高度経済成長期を知っている高齢者なら、別の発想ができるかもしれません。
「あのころは、税金が高かったけど、経費が使い放題だったから、『税金でもっていかれるくらいだったら』と金を使ったもんだ」みたいな話ができるかもしれません(これは私の考えでもありますが)。
だとすると、増税して経費を認めたほうが消費が増え、景気がよくなるというような「暴論」は高齢者こそ言えるかもしれません。
さらに、最高税率と経済成長率は正の相関にある(これは事実です。因果関係はありませんが、相関関係はあります)という数字の裏づけがあるとなお強いことになります。
今の理屈通りの経済政策より、高齢者の人生経験から出た経済政策のほうがあてになるかもしれないのです。
このように人生経験が豊富だと、それだけ自分の思い通りに好きなことが言える強みがあるのです。
たとえば、タバコは脳にいいという話もあり、ニコチンには認知症予防の効果があるとさえされています。
また、若いころは(中高年までは)確かにタバコは身体に悪いのでしょうが、私が勤めていた高齢者専門の総合病院に併設された老人ホームの追跡調査では、喫煙者も非喫煙者も生存曲線は変わりませんでした。タバコを吸ってもホームに入る年齢まで生き延びてきた人の場合、タバコが身体に悪いかどうかはわからないのです。
理屈ばかりをこねる若者に媚びる必要はない
80代後半になってタバコを吸い続け、なお頭もクリアな養老先生のような人が「タバコは身体に悪いと言うが、個人差があるだろう? 私はタバコに強い体質のようだ。しかもタバコのおかげでちっともボケていないよ」と言えば、誰も反論できないでしょう(それでも反論する、養老先生よりずっと若い医者もいるでしょうが)。
歳をとるほど思考の自由は得られるし、言いたいことも言える。
理屈ばかりをこねる若者に媚びる必要はない、のは確かなことだと私は信じています。若い人や学者や医者の意見に合わせて、あなたの思考の自由を捨てる必要はないのです。
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