また、春巻きの皮は惣菜コーナーの常温販売用と、コンビニのホットケース用で製品を作り分けている。どちらも「調理後6時間が経過しても、パリパリ食感を維持できる(同社 営業部長 的場 麗さん)」というから驚きだ。
その上、具も皮もクライアントの要望に応じて、フルオーダーで対応する。定番のほかに、エビチリ・ジャーマンポテト・スイーツ系など、具は1000種類以上。皮は約100種類のレシピが生まれている。
専業だから12年で売り上げ3倍
2019年1月には、食品安全規格のなかで最も厳格とされる、「FSSC22000(Food Safety System Certification 22000)」を取得した。これは大手食品メーカーと同等の品質管理体制であることを意味しており、そのおかげで中小企業ながらも、大手コンビニとの直接取引を実現している。
「直火釜での具材作りのほか、焼成前の生地や具材を一晩寝かす独自の製法は、一般的な工場では『非効率的』として否定されるものばかりです。しかし、専業メーカーとして作り上げてきた、品質優先の妥協しない工程が、評価いただけているのだと思います」(的場さん)
2014年の買収時点で、売上高は約14億7000万円、経常利益は約1000万円の赤字だった。しかし、この12年で売上高が約43億5000万円と3倍ほどに爆増し、経常利益は約4億円と黒字化している。競合企業の数は絞られているが、そのなかでもスワロー食品は味と品質で、他社には置き換えられない存在となっている。
2024年、同社は埼玉県に新工場を稼働させ、1日あたりの生産数を現在の70万本に拡大した。2025年には「春巻き文化を世界へ」を合言葉に、北米へ進出。SNSを中心に、ブームの兆しが見え始めている。
倒産寸前だった町の中小企業が、のちに大手コンビニを支える盤石な黒子企業へと変貌を遂げるとは、一体誰が想像しただろうか。しかも、その立役者が創業者の血縁でも、生え抜きの社員でもなく、元銀行員だったとは……。
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