塾を優先し、ゲームは1日1時間
『ゲームばかりしていると頭が悪くなる』という見方は、今も根強い。しかし、少なくとも栗原選手の日常を見る限り、ゲームと学業は二者択一ではない。早川会長によると、学校の成績もよく、『すべてに対して全力を尽くすタイプ』だという。
栗原選手の日常は、放課後は学習塾が優先で、午後9時過ぎに帰宅して、晩飯を食べて、1時間ほど、ゲームをやって、風呂に入って就寝するそうだ。小学校の友人の反応を問えば、「僕の(eスポーツの)こと、あんまり知らないんで」と言う。でも、アジア大会で活躍すれば知られることになるでしょ?
「ニュースを見ている子は少ないから、多分、あまり気が付かないんじゃないのかな。そういう(eスポーツの)ことを言われるのはあまり好きじゃないんです。“すごいね”と言われるのはうれしいですけど、普通に学校で友達と遊んだりしたいんです」
リアルスポーツでは、サッカーや卓球が好きだそうだ。
小学生の栗原選手、賞金100万円は受け取れず
栗原選手はことし4月、JESUの公認プロライセンスを取得し、「小学生初のeスポーツ・プロライセンス」取得者となった。一般的に多くの賞金大会では、「中学生以下の選手には、賞金の代わりに特別賞品を授与」と決められており、栗原選手がプロライセンス取得前となることし2月に参加した「GigaCrysta ぷよぷよグランプリファイナル」では、大会規定により、優勝賞金100万円の代わりにセガから特別賞品が贈られた。
勝負飯が「うなぎ」。アジア大会の試合前には愛知名物の「ひつまぶしを食べたい」と笑った。アジア大会金メダルのご褒美を聞かれると、「キラキラしたものが好き。普通に宝石とか。とくにエメラルド」と答えた。まさかの「エメラルド」である。
一方、eスポーツの急速な普及に伴い、子どもの長時間プレーや学業との両立、健康管理、競技の公正性などへの対応も求められる。JESUの早川会長は「インテグリティはもちろん、科学的な知見であったり、健康面であったり、フィジカルスポーツの基準に則った指導者が、選手を育成していく重要性が非常にあると思っています」と強調した。
eスポーツがサッカーを超える可能性も
ゲーム人口は、世界最大のスポーツビジネス市場を持つサッカーより多く、eスポーツ市場が将来、サッカーに迫るポテンシャルはある。違いは世界的スターの不在である。栗原選手がアジア大会で金メダルを獲得すれば、知名度は一気に拡大するだろう。スポンサーも集まり、いずれ、賞金獲得も1億円を突破するかもしれない。
おそらく競技人口もファンも増え続け、市場規模もさらに膨らんでいく。やがてeスポーツがサッカーを凌駕する――。そんな時代が、決して夢物語ではなくなってきた。
【参照】
(※1)データ年鑑『日本eスポーツ白書2025』発売2024年のeスポーツ競技人口は推計419万人市場規模は160億円以上、ファン数も約967万人と拡大を継続(9月10日閲覧)
(※2)現在のゲーム人口の数(9月10日閲覧)
(※3)加盟校一覧 – NASEF JAPAN(国際教育eスポーツ連盟ネットワーク 日本本部)(9月10日閲覧)
(※4)令和7年度(公財)全国高等学校体育連盟 加盟・登録状況【全日制+定通制】(9月10日閲覧)
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