加盟高校は756校に拡大、国立施設には専用ラボも
ところで、学校現場にもeスポーツは急速に広がっている。全国では756校(2026年8月時点)がeスポーツの普及ネットワーク「国際教育eスポーツ連盟ネットワーク(NASEF)」に加盟する(※3)。ラグビー部〔全国高体連の2025年度加盟校は812校(※4)〕に迫る勢いだ。
そういえば、ことし、国の強化拠点、国立スポーツ科学センター(JISS)にeスポーツの強化や研究を進める「HPSC ESPORTS LAB」も設置された。選手の視点を可視化するモニターほか、脳疲労や集中力などを数値化する最新設備がそろっている。
「文化プログラム」からスポーツ競技大会へ
時代、いやステージは変わったのだ。
愛知・名古屋アジア大会ではeスポーツが前回の杭州大会を上回る11種目13タイトルの正式なメダル競技となる。さらに、日本スポーツ協会(JSPO)は新たな全国大会「JAPAN GAMES ESPORTS(JGE)」の創設を発表した。国民スポーツ大会の文化プログラムとして行われてきた全国都道府県対抗eスポーツ選手権を発展的に改組するもので、第1回大会は2028年の開催をめざしている。
その9月3日の発表会見で、JESUの早川英樹会長は、「これまで文化プログラムとして行われてきた大会が、スポーツ競技大会と位置付けられたのが、一番大きな違いだと思っています」と言った。
発表会見では、栗原選手もビデオ出演。過去の選手権のことに触れ、「いろんなところに行けて、いろんなご飯を食べることができて、楽しかったです」とコメントした。
ちなみにeスポーツは、極限まで研ぎ澄ませた判断と反応で勝負するスポーツである。栗原選手が好きな卓球に近い。試合中は、卓球のごとく、「相手が次に何をしてくるか」を読み、一瞬の判断で操作する。すなわち、凝視力、反射神経の勝負か。
「18連鎖」を操る11歳の勝負哲学
栗原選手の得意種目「ぷよぷよ」は、上から落ちてくる同じ色の「ぷよ」を4つ以上くっつけて消していく、日本を代表する国民的な落ち物パズルゲーム。「ぷよ」は、そのゲームに登場するキャラクターだ。栗原選手は「大連鎖を打つと楽しい」と声を弾ませる。
対人戦では何度も最高18連鎖を記録している。「“ぷよぷよ”を見たことない人でも、大連鎖という部分は結構、わかりやすいと思います」とアピールする。
栗原選手は8月に開かれたチームジャパンのメディア・サミットではこうも、言った。
「いろんな人と戦うのはおもしろい。遊びでやっていると、まあ、ただやっているだけなんですけど、競技としてやっていると、本気でやれるんで、その本気の分、強さがいつもより大きくなったりします」
栗原選手は小学1年で競技を始め、2023年の大規模大会「EVO Japan」で強豪選手を破って3位に入った。まだ7歳だった。「結構うれしいというか、一番印象に残ったというか、そこからちゃんと競技としてやり始めたんです」
上達の秘訣は、とにかくプレーを続けること。「調子が悪くても、まったく反省はしない」と記者を笑わせる。「とにかく、プレーをやる。調子が悪い時を乗り越えると強くなれる気がする」と独自の勝負哲学を披露した。「なんか、大会だと覚醒して強くなったりするタイプなんで……。あんまり考えなくても、(アジア大会で)僕の強さは出ると思いますね、たぶん」と屈託がない。

