日本語研修では「報連相」も

篠原匡『愛知県は天下を取るがね』(新潮新書)
篠原匡『愛知県は天下を取るがね』(新潮新書)

さらに、専門家による伴走支援も目玉の一つだ。外国人の受け入れに不安や課題を感じている企業の困りごとを聞き、企業ごとに適切な専門家を紹介するサービスである。在留資格について悩んでいれば行政書士、外国人に合った就業規則がわからなければ社労士(社会保険労務士)、どの業務を外国人に切り出すかに迷っていればコンサルタントなどを紹介する。専門家の派遣は5回までと上限が決まっているが、支援計画を作り、実際に支援していく。

一方、外国人向けの支援としては、日本式の就職活動や労務知識に関すること、キャリアに関することなど、外国人が日本で就職活動をする際に疑問や不安を感じそうな点を中心に相談に乗っている。また、外国人が日本で働く上で必要な日本語の研修も用意しており、「初級」「準中級」「中級」の三つのコースがある。自己紹介やメールでのやり取り、同僚への声かけ、指示を受けたときの返答などに加えて、日本企業で特に重要になる報告・連絡・相談の「報連相」についても教える。

外国人なしでは回らない現場

2025年には県内企業と就職を希望する国内在住の外国人を対象とした合同企業説明会も名古屋市と刈谷市で実施。この他にも、ベトナムとインドネシア在住の人材を対象にしたジョブフェアをオンラインで開催した。ジョブフェアでは、出展した県内企業10社に対して、ベトナムは128人、インドネシアは805人が参加したという。渡航費の補助など県によるインターンの受け入れ支援も用意されており、企業とうまくマッチングできた参加者は入社前にインターンとして来日し、実際に働いたそうだ。

現状、外国人労働力の受け入れについては賛否を含め、さまざまな議論がある。もちろん、どのように受け入れるか、どのようなペースで受け入れるかという点は極めて重要な論点だが、そうした議論をいったん脇におけば、外国人なしでは回らない現場はどんどん増えている。しかも、企業が生き残りをかけて外国人を採用することを考えれば、その動きはますます加速していくだろう。

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