従業員25人中10人が外国人
1951(昭和26)年に創業した丸八テント商会はテント倉庫や日よけシェード、間仕切りなどテント膜を用いた構造物を作っている。企画から設計、製造、施工までを一貫して手がけており、大阪・関西万博のハンガリー館でファサードを製作・施工するなど、その企画力や技術力に対する評価は高い。
こうしたファブリックを使った外装や内装の企画提案は一般的な外装工事や内装工事とは異なり、とてもクリエイティブな仕事に見える。だが、丸八テント商会の本質は素材を裁断・加工する縫製と骨組みを作る溶接にある。この二つが機能しなければ、どれほど優れた企画やデザインを考えたとしても形にすることはできない。もっとも、今どき縫製や溶接を目指すような若者は少なく、いたとしてももっと大きな企業に行ってしまう。
そこで、20年ほど前から日本人インターンを採用する傍ら、技能実習生やインターンなど外国人の採用を意識的に進めてきた。その結果、今では25人の従業員のうち外国人が10人を占めるまでになった。4人が実習生、6人が社員である。「外国人がいないと回らない」と佐藤社長は語るが、それは中小の製造業者の紛うことなき現実だ。
金属を削らない「転造」の強み
丸八テント商会のように、外国人が会社の核になっている製造業者は枚挙に暇がない。愛知県小牧市に本拠を置く名友産商も、外国人の採用に積極的な企業として知られている。名友産商は転造加工の専門企業で、多品種・小ロット・特殊形状のネジや歯車を開発している。
ネジや歯車の製造では金属を削る切削加工が一般的だが、名友産商は転造、すなわち金属にダイスと呼ばれる工具を押し当て、回転による圧力で成形する技術に強みを持つ。転造加工は切削加工のように素材を削らないため強度が高く、表面もきれいに、精密に仕上がる。
そのため、安定稼働が求められる精密機器や高速・高温・高トルクにも耐えられるモーター部品、過酷な環境で用いられる機械など、さまざまなところで活用が進んでいる。名友産商のウェブサイトに載っている「それ、まずは名友に聞いてください」というコピー、これには価格や精度、素材、納期など難しい条件の仕事をクリアし続けた同社の矜持があふれている。

