「マイカー世帯」を圧迫する自動車保険料
代表的なレアメタルであるモリブデンなどの価格も上昇した。銅鉱石の副産物として採取される金属で、鉄鋼の添加剤や工業用部品などに使われているが、高騰の背景には銅鉱石の供給不安や、中国の再生可能エネルギー需要の高まりがある。基礎資材の値上がりは半導体、自動車、家電製品などの追加的な値上がりの一因になる。
サービス分野でも値上げは増えている。夏以降、損害保険大手が自動車保険料も引き上げた。人件費の上昇や、資材価格の高騰で修理費用の増加などが影響した。
6月、損害保険料率算出機構は、自動車保険料の算出目安となる「参考純率」を平均14.4%引き上げる届出を金融庁に行った。工賃などのコスト増に加え、インバウンド需要増加でレンタカー費用の上昇も影響したようだ。
値上げラッシュを引き起こした「犯人」
新築住宅価格、住宅リフォームの価格も上昇している。
10月からは、火災保険料も値上がりする。戸建てかマンションかで料率の変化は異なるものの、個人向けで3%程度の上昇が見込まれている。日本が、デフレからインフレの環境へ移行したことで、家屋の修理費用などが増えた影響は大きい。
大手電力10社が発表した9月使用分の電気料金は8月分より補助額が減少し、全体として値上がりする。中東情勢の影響もあり、ガス料金も値上がりする。
光熱費や食品などの上昇に対応するため、公立小中学校の給食費や学校用品の価格も上昇した。そうしたインフレ懸念の高まりで、金利の上昇傾向も鮮明化している。変動・固定型の住宅ローン金利上昇も家計の負担増加要因だ。
一連の値上げラッシュの要因として、エネルギーや穀物などの上昇に加えて、円安の影響はかなり大きい。これまでのところ、円はドルやユーロなど主要通貨に対して事実上の独歩安だ。
また、高市政権の財政拡張政策は、わが国の財政悪化懸念を一段と押し上げた。さらに、デフレからインフレへ日本経済が移行したにもかかわらず、高市政権は、日本銀行に対して緩和的な金融政策を維持するよう要請を強めたと言われている。異次元緩和策の正常化が遅れるとの観測の高まりも、円売りの有力な材料になっている。
