高市氏の投稿の矛盾点

高市氏は投稿で、今回の典範改正は「次世代の悠仁親王殿下までの皇位継承の流れをゆるがせにしてはならないこと」を前提とした、と述べている。これは有識者会議報告書の論旨を紹介した部分だ。

しかし、「してはならない」というのは、言うまでもなく意思、主観的な価値判断を示す言い回しだ。客観的な事実として、皇位継承の流れが「既に確定」しており、もはやそれを変更することが不可能(できない)ならば、そこに「してはならない」という意思や価値判断を持ち込む余地はないはずだ。

高市氏が言っていることは、明らかに矛盾している。おそらく、「悠仁親王殿下までの皇位継承は……既に確定している」という部分は、政府の立場を逸脱して、本人の個人的な“思い込み”を書き込んでしまったのだろう。

しかし、「ゆるがせにしてはならない」という報告書の論旨を肯定的に紹介している以上、先の「確定」論は自ら撤回したに等しい。

施行前から「再改正」を示唆

このたびの皇室典範改正について、「男系男子」の原則を守った、と評価する人たちも少数ながらいる。しかし投稿を見ると、高市氏のスタンスは少し違う。

投稿では、今回は女性天皇について検討できなかったが、その手前の「『女性皇族が婚姻後も身分を保持する道』を初めて開くことができました」と胸を張っている。

あらかじめ検討課題から女性天皇を外したことについては、“皇位継承のあり方”というテーマをひとまず横に置いて、「急いで『皇族数の確保』を図らなければならない」という事情があったため、と言い訳している。つまり、積極的に女性天皇を排除する意図があったわけではない、と。

これは逆に言うと、改めて「皇位継承のあり方」を正面に据えて“急がずに”検討すれば、女性天皇という選択肢もあり得ることを、ロジックとしては否定していない。

とくに、投稿の最後に改正法の見直し規定(附則第6条)にわざわざ触れて、「必要な見直しがなされること」を強調しているのは注目に値する。「女性天皇への道を閉ざした」という批判に対する釈明を目的とする、今回の投稿全体の文脈に照らせば、「必要な見直し」は女性天皇を可能にする制度改正と受け取るのが自然だ。

改正法が10月24日に施行される前から、首相自身が早々と「再改正」を示唆せざるを得なかった事実は、今後の見通しに希望を抱かせる。