組織形態を変えて、コストを下げる

カルビー 管理本部購買部部長 
吉岡健太郎

本社の購買部部長吉岡健太郎は、善良そうな社員が多いカルビーの中では珍しく、強面系の顔つきをしている。

「腕力のいる仕事だから、元工場長とか私みたいな元支店長とか、押しの強そうな連中を購買部に集めたんです」

吉岡はカルビーの「買い方」変革の中心人物だが、実は「買い方」の変革は、組織形態の変革と深く関係している。

旧カルビー(2008年以前)の組織形態は、複雑としかいいようのないマトリクス構造をしていた。旧組織図のように、マトリクスの縦軸は地域カンパニー。全国を7つのエリアに分けて、それぞれのエリアの生産と販売を統括するカンパニーを置いた。「作って売る」仕事はこの地域カンパニーが担っていた。

一方、マトリクスの横軸は商品カンパニーであった。主商品ごとにカンパニーが設けられ、商品の企画、開発、マーケティングを行っていた。「どう作り、どんな売り方をするか」を地域カンパニーに発信していたと言い換えてもいい。

なぜこのような組織形態にしたかといえば、地方分権を実現すると同時に商品間競争を喚起するためであった。本社に権限を集中させるのではなく、地域カンパニーに生産と販売の権限を持たせれば、地域特性に合った生産、販売活動が可能になる。また商品別のカンパニーをつくれば、健全な商品間競争が展開される。

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2010年以前の組織構造

このように考えるとマトリクス構造にもメリットがあったわけだが、問題はモノの「買い方」だった。吉岡が言う。

「かつての本社には購買機能がありませんでした。商品カンパニーがこのサプライヤーからこれを買いなさいと決め、それに従って個々の地域カンパニーが実際の購入を行うという仕組みだったのです」

結果、どんな事態が発生したか。

「それぞれの地域カンパニーがバラバラにモノを買い続け、たくさんのサプライヤーから、ものすごい種類のモノを買うことになり、全体像は誰も把握していないという状況になってしまったのです」