政治家に投票するだけでは何も変わらない
選挙で投票することまでは考えても、選挙が終わった翌日からはサービスの受益者に戻り、トップダウンで何かが変わるのを待つことになっていないだろうか。思うようにならなければ、また次の選挙で投票する。いつまでも受益者のままだ。受益者でいることと、自分たちで要求をつくることのあいだには、大きな距離がある。
AIが普及すれば、何万人もの意見を集め、分類し、共通項を抜き出すのは簡単になる。だが、人が意見を持つ前の時間までは短縮できない。誰かに聞かれて初めて考える。人の話を聞いて、自分の考えが少し変わる。話がまとまらず、また会う。昨日反対した人とも、次の会議で顔を合わせる。効率は悪いし、時間もかかる。
それでも、この遠回りをなくせば、残るのは「私たちのために正しい答えを出してくれる誰か」を探す政治になる。それがテクノロジー企業の経営者か、優秀な官僚か、左派の政治家かは、その次の問題にすぎない。
マムダニの躍進を、アメリカで新しい「イズム」が勝ち始めた話として見るだけでは、実験の半分しか見えない。試されているのは、どんな社会をつくるかだけではない。誰がその社会をつくるのか。その問いを、もう一度人びとの側に戻そうとしていることにこそ、民主社会主義のアメリカから学べるものがある。
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