名古屋にうまいものなし、と言われる。本当か。会食専門家のyuuuさんは「名古屋めしは、味が濃い、大味、B級グルメなど大雑把なイメージで語られがちだ。しかし、それは名古屋の食文化のほんの一面に過ぎない」という――。
名古屋オアシス21と中部電力MIRAI TOWER
写真=iStock.com/7maru
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ほとんどの人が知らない名古屋の食の「真の姿」

今年7月、料理研究家のリュウジさんがSNS投稿をきっかけに大炎上し、謝罪に追い込まれるという出来事がありました。

内容は「あーーーごめんなさい名古屋はマジで美味しい店ないです東京よりないです。マジで名古屋の美味しい店教えてほしい、名古屋の人に旨いもん聞くとチェーン店勧めてくるから食に興味ない人多そう」というもの。この投稿は、名古屋の食文化を愛する多くの人々の反感を買い、大きな議論を巻き起こしました。

会食専門家として全国を飛び回り、かつては電通で名古屋のテレビ局を担当していた私から見ても、名古屋の食の「真の姿」を捉えきれていないと感じました。

名古屋の食文化は外から来た人にとって少し特殊に映るかもしれません。しかし、「おいしい店がない」と切り捨てるのはあまりにも早計です。名古屋には、他県の人にはまだ知られていない、驚くほどレベルの高い名店が数多く存在しているのです。

本稿では私が実際に足を運んで感動した「本物の名古屋めし」の魅力をお伝えします。

他県から「誤解」されやすいワケ

なぜ名古屋の食文化は他県の人から誤解されやすいのでしょうか。

その背景には、名古屋という土地が持つ歴史と産業の特性が深く関わっています。名古屋は江戸時代から、たまり醤油や八丁味噌といった独特の発酵文化が根付いている土地でした。それに加えて、製造業や商業が盛んな街として発展してきた歴史があります。

そのため、労働で疲れた身体を癒すために、味が濃くてカロリーを素早く摂取できる、わかりやすいおいしさが求められる土壌があったのです。

さらに「名古屋めし」と聞いたときに、あんかけスパゲッティ、ひつまぶし、台湾ラーメンなど、ジャンルがあまりにも多岐にわたり、カテゴリーとしての統合性がないことも誤解を生む要因です。

その結果、他県の人の頭の中では、名古屋めし=「味が濃い」「大味」「B級グルメ」という大雑把なイメージだけで片付けられてしまうことが少なくありません。しかし、それは名古屋の食のほんの一面に過ぎず、その裏には全く異なる顔を持つ極上の食空間が広がっているのです。