「JAL機内食」への採用はここから始まった
この新川モールで、2024年からインドはままつフェスティバルを行い、のちにJALの機内食に採用されるきっかけを生み出す場所となったのだ。
さらに、伊達さんは新川モールのすぐ近くで2023年から「街食堂」を始めた。これは浜松で人気の飲食店が週替わりで料理を出し、会員企業の社員は割引価格で飲食できる新スタイルの食堂だ。
毎週水曜日には、“誰かの話をつまみにお酒を飲む”イベント「水曜日のヨル喫茶」を開催している。会社や属性を超えて人と出会うきっかけとして、地域の交流の場を生み出している。スズキやヤマハ、遠州鉄道など、浜松ゆかりの約40社が会員企業として登録し、3年間で160回の「ヨル喫茶」を開催した。
筆者も、この街食堂に行ってみたところ、まだ昼の12時半にもかかわらず外の看板にはなんと「SOLD OUT」の文字が。口コミを見てみると「売り切れてしまうから早めに行くこと」とあり、先にチェックしておかなかった自分を悔やんだ。
2日後、気合を入れて開店直後の11時過ぎに訪ねると、無事に入店できた。その後も続々と客が入ってきて、店員との会話から常連が多いことが伺えた。責任者に話を聞くと、完売になってしまう日が少なくないという。
ブライダル一辺倒から多角化へ
日本料理から始まった鳥善は、ブライダル事業に進出し、食事や空間、おもてなしを含めて「食で人々を幸せにする場」を届けてきた。近年では、ブライダル事業が売り上げの7割を占め、「鳥善といえば結婚式場」というイメージも定着していた。
しかし、コロナで大打撃を受けたうえに今は結婚式を挙げない層も増えている。少子高齢化の影響もあり、日本全体でマーケットは毎年縮小している。このような社会変化のなかで、伊達さんは以前より「ウェディング以外の事業に取り組むこと」の必要性を感じていたのだ。
スズキと組んだベジタリアン食やまちづくりに挑戦したことで、鳥善の事業バランスは大きく変わった。コロナ前は7割を占めていたウェディング事業が約4割に減り、ベジタリアン食は1割を超え、売り上げも1億円以上に成長した。現在の会社全体の年商は13億円と、コロナ前の売り上げまでもう少しのところまで戻している。




