なぜ〈ことばの力〉が必要になるのか

私は絵本やアニメを否定する気持ちはまったくありません。私自身、児童書から漫画原作まで幅広く手がけていますし、その影響力を実感しています。グローバル市場では、日本のアニメが広く受け入れられている事実もあります。

しかしながら、そのことと、10代、20代の人たちがずっと子ども向けの本だけを読み続けることは別です。

本書『「ことばで伝える」ができない子どもたち』ですでに述べたように、成長するにつれ、人はどんどん複雑な言語空間に身を置くことになります。小学生、中学生、高校生、大学生、社会人、あるいは新入社員、係長、課長、部長、社長……。年齢や地位が上がるにつれて、より細かな言葉で、複雑な課題に向きあわなければなりません。