「何歳で何の本を読むか」の重要性
『そして、バトンは渡された』(瀬尾まいこ)を読めば、同世代の子たちの心の機微が細かく記されています。そうした読書体験の中で、「ああ、人はこういうときにこう感じるのか」とか「自分だったらどうするだろうな」と考えながら年齢相応に情緒力を伸ばしていきます。それが、彼らのリアルな人間関係を円滑にするのです。
『同志少女よ、敵を撃て』(逢坂冬馬)を読めば、第二次世界大戦中にロシア軍のスナイパーだった女性の人生を通じて大きな想像力を養うことができます。戦争に女性が参加することの意味、人が人を愛すことの意味、さらには現在のウクライナでも同じようなことが起きているという事実……。それは歴史を学んだり、自分の将来を考えたりする上でも大きな意味を持つはずです。
このように、何歳で、何の本を読むかはとても重要です。
人はその時々の年齢に合った本を読むことによって、〈ことばの力〉を年齢相応、あるいはそれ以上に育てていけるのです。
年齢に合った本を選ぶ方法
年齢に合った本は、どうやって探せばいいのでしょう。
小学生向けであれば、講談社青い鳥文庫、角川つばさ文庫、集英社みらい文庫など大手出版社が小学生低学年からのシリーズを出しているので、それを中心に選ぶ方法もあります。
公益社団法人・全国学校図書館協議会の選んだ本を参考にするのも一つです。ここでは小学校低学年から高校生向けの良書を毎年選定して、ホームページにも掲載しています。特に青少年読書感想文全国コンクール向けの課題図書は有名なので、そこから選ぶのも一つでしょう。
最近の傾向でいえば、本屋大賞のノミネート作や受賞作を読む子たちも増えています。メディアでも大々的に報じられますし、直木賞や芥川賞の受賞作より文体や内容が平易な傾向にあるので、学校の先生も勧めやすいのかもしれません。

