「超・早期離職」の原因
「なんで、あんな奴を入社させたんだ!」静かな会議室に、トップの怒号が響き渡りました。
春、希望に胸を膨らませて入社してきたはずの新入社員が、瞬く間に会社を去っていく――。
近年、特に耳にするのが「超・早期離職」の問題です。「ゆとり」「さとり」から「Z世代」へと若者のレッテルは変われど、現場で起きている悲劇の構造は驚くほど変わっていません。
早期離職が起きると、多くの経営陣や現場の管理職は口を揃えてこう言います。「今年の採用はミスマッチだった」「最近の若者は根性が足りない」と。
しかし、断言します。真の原因は「採用」にあるのではありません。「現場の受け入れ体制」と「上司の初期対応」に潜む致命的なミスこそが、彼らの心をへし折り、退職へと追い込んでいるのです。
「公開処刑」された人事担当者
ここで、私が実際に目撃したある企業での凄惨なエピソードをご紹介します。
その会社では、期待の新人として迎え入れられた若手社員が、なんと入社わずか3日で辞表を提出しました。現場は騒然とし、事態を知った部門トップ(上司)は激怒。そしてあろうことか、他の新入社員たちが集まる研修の場で、採用を担当した人事担当者を大声で怒鳴りつけたのです。
「なぜ、たった3日で辞めるような根性のないやつを採用したんだ! お前の目は節穴か!」
新入社員たちの目の前で行われた、人事担当者の「公開処刑」でした。私もその場に居合わせたため、凍りつくような気まずい空気感を一緒に味わっていました。怒鳴りつけられた人事担当者さんとは何度も打合せを重ねていましたが、人柄も良く、誰よりも会社想いの真面目な方でした。
そんな人事担当者さんは深く責任を感じ、居づらくなったのでしょう。数カ月後に会社を去りました。そして、その異様な光景を見せつけられた他の新入社員たちも、「この会社は、何かあればあんな風に全否定されるのか」「次は自分がターゲットになるかもしれない」と強烈な不信感と恐怖を抱きました。
結果的にその年の新人は、連鎖的に次々退職していくという「組織崩壊」を引き起こしたのです。
早期離職の責任を「採用のミスマッチ」や「個人の資質」に押し付けるトップや上司がいる限り、この悲劇は繰り返されます。
実はこの問題、新卒の若手社員に限った話ではありません。即戦力として期待されて入社した「中途入社の社員」にも全く同じことが言えるのです。新メンバーを潰してしまう上司には、共通する「2つの致命的ミス」があります。

