関節痛まで小麦が招いていた

「年を取るごとに、足腰のあちこちがひどく痛むようになって……」

本間良子『小麦抜きのすすめ』(アスコム)
本間良子『小麦抜きのすすめ』(アスコム)

そんな、膝などのつらい関節炎に悩む人もたくさんいます。とくに女性の場合は、年を取ると多かれ少なかれ、関節軟骨がすり減っていく「膝関節症」という症状が現れます。

見た目は別に悪くなく、手術するほどでもないから様子を見ていたら、どんどん痛みがひどくなっていく……。体重や膝の骨のせいだと勘違いして、根本的な治療をしないこともよくあります。

しかしながら、こうした関節炎にも小麦が影響を与えています。

小麦をたくさん食べると腸が炎症し、腸内にカビが増えていくことは第1回の記事で紹介しました。そのカビが多い状態によって、「シュウ酸」と呼ばれる物質がつくられ、結晶化していきます。イメージとしては、関節のあたりに、クリスタルの物質がたくさんたまってしまうような感じです。

シュウ酸がたまると、体はダメージを受けるため、結局は疲労感となって現れます。なぜなら、シュウ酸は、カルシウムやマグネシウムといった、体に必要なミネラルをくっつけてしまうからです。

リビングルームで痛みを伴う膝を保持している女性
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

骨まで弱らせる小麦の怖さ

カルシウムを取られてしまえば、体内のカルシウムレベルが下がり、とくに女性は、骨組織までリスクを抱えることになります。また、「腎結石じんけっせき」を引き起こす可能性も高まります。

同じように、マグネシウムを取られてしまえば、筋肉が硬くなっていきます。すると、筋肉が骨を動かしたり支えたりしているので、足腰のあちこちが痛くなる症状が出てくるわけです。

ほかにも、発達のトラブルや、イライラなどの行動異常、頭痛、目の痛み、線維筋痛症せんいきんつうしょうなどとの相関性が明らかになっています。

ただし、シュウ酸は、動物性脂肪(肉、魚、卵、乳製品など)や、野菜(ほうれん草、たけのこなど)に多く含まれており、シュウ酸を減らす食生活をすると、かえって必要な栄養が不足して体調を崩しかねません。

そこで、食べものからシュウ酸を抜くよりは、やはり小麦を食べないことで、まず腸の炎症を防ぐことがとても大切なこと。腸内のカビを減らすことで、シュウ酸が増えない状態をつくることが必要なのです。

*参考文献
1.グルテンフリーによる抗炎症作用、インスリン抵抗性の改善、減量効果
論文名: Gluten-free diet reduces adiposity, inflammation and insulin resistance associated with the induction of PPAR-alpha and PPAR-gamma expression
掲載誌: J Nutr Biochem 2013 Jun; 24(6):1105-11
URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23253599/
2.グルテンフリー・カゼインフリーによる自閉症スコアの改善
論文名: The ScanBrit randomised, controlled, single-blind study of a gluten- and casein-free dietary intervention for children with autism spectrum disorders
掲載誌: Nutr Neurosci 2010 Apr;13(2): 87-100
URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20406576/
3.グルテン関連する疾患のカテゴリー グリアジンのアミノ酸配列
論文名: Spectrum of gluten-related disorders: consensus on new nomenclature and classification
掲載誌: BMC Med. 2012 Feb 7: 10: 13
URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22313950/
4.非セリアックのグルテンに関連する疾患
論文名: Non-Celiac Gluten Sensitivity: The New Frontier of Gluten Related Disorders
掲載誌: Nutrients. 2013 Sep 26; 5(10): 3839-3853
URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24152744/
5.グルテン不耐症の症状など
論文名: An Italian prospective multicenter survey on patients suspected of having non-celiac gluten sensitivity
掲載誌: BMC Med. 2014 May 23: 12: 85
URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24885375/
6.グルテンフリーによる免疫反応
論文名: Effect of gluten free diet on immune response to gliadin in patients with non-celiac gluten sensitivity
掲載誌: BMC Gastroenterol. 2014 Feb 13: 14: 26
URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24524388/
7.グルテン関連疾患の分類およびグルテン不耐症に関する臨床症状など
論文名: Non coeliac gluten sensitivity - A new disease with gluten intolerance
著者: Grażyna Czaja-Bulsa
掲載誌: Clin Nutr 2015 Apr; 34(2):189-194
URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25245857/
8.消化器症状、過敏性腸症候群とグルテン不耐症
論文名: US perspective on gluten-related diseases
掲載誌: Clin Exp Gastroenterol. 2014 Jan 24: 7: 25-37
URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24493936/
9.アルツハイマー型認知症とグルテン不耐症
論文名: Diet Associated with Inflammation and Alzheimer's Disease
掲載誌: J Alzheimers Dis Rep. 2019 Nov 16; 3(1): 299-309
URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31867568/
10.グルテン不耐症の症状、自己免疫疾患などの関連性
論文名: Extra-intestinal manifestations of non-celiac gluten sensitivity: An expanding paradigm
掲載誌: World J Gastroenterol. 2018 Apr 14; 24(14): 1521-1530
URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29662290/

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