Z世代は7割前後が「ほぼテレビを見ない」
NHK放送文化研究所の「国民生活時間調査」は、日本人の生活実態を明らかにするため1960年から5年ごとに実施され、長期にわたって定点観測していることから信頼度が高い調査として知られる。
「2025年調査」(全国の10歳以上の7200人を対象に実施、有効回答率は52.7%)のデータを見てみる。調査項目は多岐にわたるが、ここではメディア利用に特化したデータを取り上げる。
もっとも注目されるテレビ視聴について。
「平日にリアルタイムで15分以上テレビを見た人」は全体で71%となり、2020年調査の79%から8ポイントも減少した。15年から20年にかけては6ポイントのマイナスだったので、減少幅が加速していることになる。
さらに、世代別でみると、
10~15歳42%(←20年56%、以下同)
16~19歳27%(←47%)
20代33%(←51%)
30代43%(←63%)
40代55%(←68%)
50代73%(←83%)
60代84%(←94%)
70歳以上92%(←95%)
と、全世代で大きく減少した。「テレビ大好き」のシニア層も減少に転じ、すべての世代で減ったのは現在の調査方法となった1995年以来初めて。
中でも、30代以下の若年層は14~20ポイントも激減、半数以上が「ほぼテレビを見ない」結果となり、とくに団塊ジュニア世代の子世代である10代後半~20代のいわゆるZ世代は7割前後がテレビとはすっかり縁が薄くなってしまったようだ。
40代から60代も10ポイント以上の大幅減少で、団塊ジュニア世代の50代前半はまだしも、40代となると半数近くが「ほぼテレビを見ない」状況となっている。
もっとも、録画によるタイムシフトや、ネットの見逃し配信サービスで、放送番組を見ている人は除外しているので、より正確には「リアルタイム・テレビ離れが加速している」と言った方がいいかもしれない。
30代以下はテレビよりもネット動画
これに対し、「平日にネット動画(YouTube、Amazonプライム・ビデオ、Netflix、ABEMA、TVer、NHK ONEなど)を15分以上利用した人」は、全体で29%と、2020年から9ポイント増え、3割近くの人が毎日、ネット動画に接するようになった。
これも世代別でみると
10~15歳53%(←20年54%、以下同)
16~19歳48%(←48%)
20代58%(←46%)
30代44%(←32%)
40代40%(←25%)
50代30%(←20%)
60代26%(←12%)
70歳以上10%(←8%)
になる。
ここで重要なのはテレビとの比較で、30代以下の若年層は、軒並みネット動画と逆転してしまった。
「テレビvsネット動画」の視聴割合を並べると、以下の通りになる。
10~15歳42%vs 53%
16~19歳27%vs 48%
20代33%vs 58%
30代43%vs 44%
5年前の2020調査では、わずかに16~19歳の層が拮抗していただけだったが、今回の調査で30代以下の若年層は軒並みテレビからネット動画に大きくシフトしていることが明らかになった。若年層のメディアライフには、もはやテレビは眼中にはないといっても言い過ぎではなさそうだ。
実際、筆者が講座を持っている大学でも、一人暮らしの学生で「自宅にテレビを持っている人」を探すのに苦労するのが実情だ。


