NISAで買ってはいけない商品

NISAは、運用益に税金がかからない制度です。裏を返せば、増えなければ意味がありません。個別株やテーマ型のアクティブファンドは、伸びる時は伸びますが、絶対に伸びるという保証はなく、企業が不祥事などを起こせば、それだけで大きく値を下げることもあります。

そうしたリスクの高い商品を買うのは絶対いけないというわけではありませんが、それは損益通算ができる特定口座で行うべきです。損益通算とは、同じ年に発生した利益から損失を差し引き、税金の負担を軽くできる制度。

NISAにはこの損益通算という概念がなく、損をした際に他の利益と相殺することができません。増えるかどうか分からない商品を、非課税のメリットが生きない形で持つのは非効率です。

【図表1】新NISAの仕組みの基本
出典=財務省

「コア」と「サテライト」の比率は?

星野さんご夫妻にはこうした話を一通りした上で、資産形成の中心となる「コア」と、興味や楽しみで持つ「サテライト」という考え方もお伝えしました。簡単にいえば、堅実に成長していく商品と、ハイリスクな攻めの商品という違いです。

コアは、eMAXIS Slimシリーズのようなインデックスファンドで固める。オーソドックスなインデックスは、多少の値動きはあっても、長期で見れば増えていく可能性が高い商品だからです。

サテライトで個別株やアクティブファンドを持ちたいのであれば、資産全体の1〜2割程度にとどめるといいでしょう。例えば運用資産が500万円なら、コアに400万〜450万円、サテライトに50万〜100万円という配分です。ただし、無理にサテライトを持つ必要はなく、コア100%でも問題ありません。星野さんご夫妻はサテライトを積極的に持ちたかったわけではなく、周囲の情報に振り回された結果、気づけば値動きの大きい商品ばかりを抱えてしまっていた状態でした。

そこで私は、「保有商品を棚卸しし、プラスになっているものは利益を確定してコアのインデックスファンドへ資金を移す」という形でコア中心の運用に切り替える提案をしました。堅実に教育費と老後資金を貯めたかった星野さんご夫妻は、「もう危険なものには手を出したくない」と、決断されました。

保有商品の棚卸しと並行して、家計の見直しも行いました。