脳の血流が上がって脳内の酸素量が増える
私たちの調査では、右利きの人が左手で歯を磨くと、通常時のおよそ1.6倍も脳のエネルギーを使う人もいました。エネルギーをたくさん使うということは、脳が活発に働いているということです。
やり慣れた動作でも、利き手と反対の手でやってみることで「こんなに難しいのか」と驚くと思います。その驚きが、脳にとっては新鮮な刺激になるのです。
また、口の中を傷つけないように、できるだけ磨き残しがないように、利き手のときよりも注意深く動かし方を調節しながら歯磨きをすることでしょう。これも運動系脳番地にとって大いに刺激になります。
実は歯磨き自体も、口や舌を動かすために運動系のトレーニングになっています。磨くときは口を大きく開け、舌を大きく動かすようにすると、より効果的。
利き手と反対側の手を使っているときは、脳の血流が上がって脳内の酸素量が増えます。そのため、やる気が出ないときなどのリセットにも有効です。
歯磨き以外にも、食事をする、コピー機のボタンを押すといった利き手に頼りがちな動作で、ぜひ試してみてください。
年をとっても思い通りに体を動かすには
プロのスポーツ選手を見ると「あんな動きがどうしてできるのだろう」と思わずにはいられません。サッカー選手なら視覚系で空間を把握し、思考系で敵のスキを見極め、運動系で出したい場所にパスを出す、というプロセスが瞬時に脳内で行われています。
一般の人はここまで瞬間的で的確な脳の働きを求められることはないにしても、朝起きて食事をし、身支度をして職場に向かう……生活のすべてにおいて、私たちの脳の中ではほかの脳番地と運動系脳番地が連携して、体を思いどおりに動かしているのです。
残念ながら、年をとるにつれて自分の体が思いどおりに動かなくなってきた、という人は多いのではないでしょうか?
それを年齢のせいだからしかたがない、とあきらめるのはとてももったいないことです。運動系脳番地に負荷をかけてトレーニングをすることで、自分の体を思いどおりに動かせる状態を保つことは可能です。

