氷河期世代への国の責任は重い
でも、何のために税金や社会保険料を払っているのかは、自分が支援を受ける側にならない限りなかなか想像しにくいですよね。
端的に言えば、介護保険料を払わずに自力で家族の介護をするか、介護保険料を払って介護保険というセーフティーネットを利用するか、どちらがいいですかという話です。税金や社会保険料に関しては高すぎるという声も多いですが、国会議員は社会のこうした仕組みを国民に説明して、だから仕組みを守るために皆さん負担してくださいときちんと伝えるべきでしょう。
氷河期世代の女性たちは、現在40〜50代。その中には、結婚・出産をしたかったけれど雇用に恵まれず、チャンスを失ったと思っている人もいます。非正規雇用の期間が長く、受け取る年金が少ない人たちもたくさんいます。これは本人のせいではなく社会の責任であり、丸ごとひとつの世代を制度の狭間に追いやってしまった国の責任です。
今40~50代の人の年金をどうするか
ただ、当時と違って今は人手不足の時代です。氷河期世代の女性も職業人生にはまだ先がありますから、働ける人は働き続けてもらえたらと思います。同時に、企業も非正規雇用から正社員への転換に積極的に取り組んで、年金受給額を少しでも上げられるチャンスをつくってほしいですね。
2000年代を振り返るとつくづく、日本ってどうしてこう近視眼的なのかなと感じます。目の前にいる若い人たちが安定した職に就けないと、のちのち日本がどうなるかなんてすぐにわかりそうなものです。しかし国は、今の状況が将来何を引き起こすか想定していなかったのです。
「すべての問題は、いずれ景気がよくなれば解決する」と楽観していたのかもしれません。けれど実際は、初職で正社員から弾かれ、そのまま不安定雇用にとどまった人の多くが結婚・出産の機会を失い、これが日本の少子化を予想外のスピードで推し進めました。

