南極大陸は条約で守られているが…
北極で起きていることは、地球の反対側、「南極」でもいずれ現実のものとなります。
現在、南極大陸は「南極条約」によって、どこの国にも属さないこと、平和目的のみに利用すること、軍事基地の建設や資源の採掘を禁止することが定められています。
日本を含む各国の観測隊が協力をして平和的に科学調査を行っている場所です。
しかし、この条約の効力がいつまで続くかは誰にもわかりません。
南極大陸の分厚い氷の下には、石炭、鉄鉱石、石油、天然ガスといった莫大な資源が眠っていると推測されています。今は氷に阻まれて採掘コストが高すぎるため、各国は「環境保護」という建前のもとに紳士協定を守っています。
もし、温暖化によって氷が溶け、採掘が容易になったら。
あるいは、世界的な資源枯渇が深刻化し、どこの国も背に腹は代えられない状況になったら。
その時、大国たちはあっさりと条約を破棄し、南極大陸の分割支配に乗り出すでしょう。
実際に、中国やロシアは南極での観測基地の建設を急速に進め、将来の領有権主張に向けた「既成事実」を積み上げつつあります。
地図上では真っ白に塗られている南極大陸ですが、各国が主張する「潜在的な領有権」の線を引いてみると、そこにはケーキを切り分けるような、生々しい利権の境界線がすでに引かれているのです。
国家間のパワーバランスが激変する
地球温暖化は、単なる環境問題ではありません。
それは、数千年続いてきた「気候」という土台を根底から揺るがし、国家間のパワーバランスを強制的にリセットする、究極の地政学的イベントです。
私たちは、赤道付近の国々が経済的・社会的に崩壊していく悲劇を目の当たりにするでしょう。同時に、北極圏の氷が溶けることで、ロシアやカナダ、北欧諸国が圧倒的な資源と農業生産力を手に入れ、新たな覇権国家として台頭する姿を見ることになります。
「気候を守る」という道徳的な議論の裏側で、各国の指導者たちはすでに、気温が2度、3度上がった後の「新しい世界地図」を広げ、どこに投資し、どこを切り捨てるかという冷酷な計算を始めています。
これからの数十年を生き抜くためには、私たちもまた、環境保護のイデオロギーに流されることなく、気温の変化がもたらす「地形と国力の変化」を見極める必要があるのです。



