「法服を着た官僚」としての裁判官

日本の裁判所は、ことに1970年代以降には、権力補完機構としての性格を強める一方、権力チェック機構としてはあまり、あるいはほとんど機能してこなかったのであり、特に、最高裁判所については、その傾向が際立って強い。

海外の研究者からも、「日本の最高裁ほど違憲立法審査権の行使をためらう裁判所を世界中でほかに見出すことは困難」との評価さえ出ているほどなのである(デイヴィッド・S・ロー著、西川伸一訳『日本の最高裁を解剖する アメリカの研究者からみた日本の司法』〔現代人文社〕)。

このように、日本の裁判所は、裁判所のあるべき姿のみならず、日本の裁判所が到達しえたはずの裁判所の姿からも遠いといわざるをえないのだ。そして、そこには「構造的な問題」がある。