マイナス感情を力に変える対処法

ただ、「ネガティブな感情を持ってはいけない」と考えると悩みや不安を強く意識することになります。

人は「○○してはいけない」と考えると、かえってそこに意識が集中してしまうからです。例えば、ゴルフで「あのバンカーに入れたらピンチだ」と意識して打ったら、ボールがバンカーに吸い込まれていったというようなことです。

「マイナス感情を持ってはいけない」と意識すると、かえってその影響が強くなる可能性があるのです。

対処策はシンプルです。「マイナス感情を持っていていい」と考え、あるがままに受け入れる。そうすることで、マイナス感情に振り回されにくくなります。

勉強をする女性
写真=iStock.com/west
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マイナス感情を受け入れること。それが実はマイナス感情による支配から逃れるための道なのです。そうしてはじめてマイナス感情を力に変えることができるのです。

自分を苦しめる感情が、どうして力になるのか。どうしたら力にできるのかを考えてみましょう。悩みや不安の渦からの突破口を開く方法を考えてみます。

飛躍的に事業を拡大した経営者も不安だらけ

私はよく、受験生からこんな相談を受けます。

「合格できるか不安で、気が休まるときがありません」
「今年も合格できないんじゃないかと不安で、勉強が手につきません」
「試験が近づくにつれ、不安が膨らんで、夜もよく眠れなくなりました」

そんな受験生たちに私が言うのは「不安なのは受験生なら当たり前です。それに、不合格の不安がないと、あなただって勉強なんかしないでしょう?」。

人間は不安があるからこそ、その不安が現実にならないよう努力できます。不安は、モチベーションを生み、それを維持する燃料でもあります。

不安で勉強が手につかないというのは、不安感情に支配され、振り回されている状況です。こういうときは、いったん勉強を中止して休むのも一つの手です。散歩や軽い運動をし、リフレッシュ、リラックスして心を落ち着かせます。

人は何もしないでいると何かをしたくなるもの。勉強を休むと、自然とまた「やらなくちゃ」という気持ちになれるのです。

不安を努力の糧にするのは、成功者といわれるような企業の経営者も同様です。

以前、大胆な投資を行って海外の大企業を買収し、飛躍的に事業を拡大している、ある企業の経営者の方と対談する機会がありました。

莫大なお金を動かす決断を、何度となく繰り返してきた人は「不安や恐怖を感じていないのでは」と思われるかもしれません。しかし、その人の答えはこうでした。

「怖くてたまりませんよ。不安だらけです。眠れない日が続くこともあるんですよ」

その人は、不安を一つひとつ洗い出して解消する方法を探り、できることを一つひとつ実践したそうです。「不安と向き合ってきたからこそ、決断ができた」という言葉に、なるほどと思ったものです。