「従来の制度に戻して」署名が3万を突破
青春18きっぷの利用条件の変更を発表したJR東日本の公式X(旧ツイッター)には、「改悪だ!」「家族やグループで利用できなくなった。これ以上、鉄道需要を減らしてどうするのか」「現代社会ではそんな簡単に連休を取れない」など、厳しい意見が殺到した。
JR各社が利用条件の変更を発表した当日の夜からは、「JR旅客6社に対し、青春18きっぷを従来の制度に戻すように要望する」オンライン署名活動も始まった。この署名活動は、SNSを中心に広く拡散され、新聞やテレビでも大きく報道。12月2日までに3万3946筆を集めて終了した。
しかし、12月5日になり、この署名の主催者はJR東日本から「直接ご提出いただく窓口の用意がございません」として、署名の受け取りを拒否されたことを明らかにした。
鉄道より飛行機を選ぶ若者たち
こうした現状に対して、国内旅行好きという20代男性会社員のJRグループに対する見方は厳しい。
「制度変更前は青春18きっぷもよく使っていましたが、最近では、日本航空が、スカイメイトをより安い価格帯で期間限定のセールを定期的に始めるようになり、国内旅行では飛行機を使う機会がかなり増えました。
今の若い人が将来的に鉄道を移動手段として選んでもらえるような手を打たないと、本来、JRが得意とする分野である都市間輸送についても、鉄道離れが進んでいくと思っています。今のJRグループは将来の顧客をどう育成していくのかという視点が足りないと思いますし、魅力的なきっぷの打ち出し方もうまくないと思います」
青春18きっぷが登場したのは、国鉄末期となった1982年のこと。当時の名称は「青春18のびのびきっぷ」だった。このきっぷの登場には、国鉄が抱える膨大な赤字の解消が社会問題となっていた背景があり、その増収策の一環として企画された。
学校の長期休暇期間中には、定期券の売上が減る一方で、国内各地では輸送力を持て余した普通列車が運行されていたことから、既存列車の輸送力を活用しながら、新たな需要を喚起することが狙われたのである。
そうした当初の狙いは見事成功し、青春18きっぷは国鉄分割民営化後もJRグループを代表する看板商品となった。
