「平均1時間半」の荷待ち時間を減らせ
トラック輸送におけるムダの最たる例は、荷待ち時間である。
2020年に実施された調査によれば、一日あたりの平均拘束時間は12時間26分。そのうち1時間34分が荷待ち時間であった。
この荷待ち時間を削減するために、政府が倉庫、物流センター、工場などへの導入を後押ししたのが、「バース予約受付システム」である。
バースとは、貨物の積み卸しを行う場所のこと。積み卸しの時間を予約できるようにすることで、荷待ち時間を減らそうという目論見である。
「ここ1~2年、バース予約受付システムを導入する現場が増え、また待ち時間が減っていることを体感しています」と、インタビューに参加してくれたドライバーたちは、口を揃えた。
実際、Hacobu社がドライバー約1500人に対して実施したアンケート調査でも、半数以上のドライバーが直近1年で荷待ち時間が減ったと答えている。
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現場のドライバーに届いていない義務
これがトラック輸送のムダをなくすことにつながるのは明確なのだが、一方で「荷待ち時間が休憩になっていたので、減ってしまってちょっとしんどく感じることもある」という本音を語ってくれたドライバーもいた。
荷待ち時間を削減する必要性は、物流系メディアでも以前からたびたび取り上げられ、また業界団体でも推奨していたため、バース予約受付システムの普及が進んだのだろう。
一方で、「『デジタルタコグラフ(デジタコ)のステータス記録を、これまで以上にきちんと実施しなさい』という指示は受けていますか?」という質問に対し、「受けている」と答えたドライバーは1人もいなかった。
このステータス記録には、荷待ち・荷役などに要した時間が含まれる。この春から、一定量以上の貨物輸送を行っている荷主(特定荷主)では、荷待ち・荷役などの時間を記録し、報告する義務が課された。この時間を記録できるのは、現実的にはドライバーになるため、荷主側は運送会社からこの記録を取り寄せることになる。
こういった法令の改正と、現実的な運用を踏まえたうえでの質問だったのだが、こちらについてはドライバー、すなわち現場への指示は下りてきていないことが分かった。
