「老害」扱いの言動が「キレる年寄り」を作る

世の中の高齢者の大半は「キレる年寄り」などではなく、そうやって批判や攻撃を恐れながら遠慮がちに生きている善良な市民でしょう。

でも、そんな日々はどう考えてもストレスが溜まります。古き良き時代の「敬老精神」などすっかり失われ、逆に自分たちを排除しようとする空気ばかり感じるのですから、我慢が限界に達して怒りっぽくなる人が出てくるのも無理はありません。その怒りをコントロールできない人が「キレる年寄り」になるのです。

和田秀樹『老人は「キレる」くらいでちょうどいい』(集英社インターナショナル)
和田秀樹『老人は「キレる」くらいでちょうどいい』(集英社インターナショナル)

高齢者をひとまとめに「老害」扱いする言動が目立つせいで「キレる年寄り」が出現し、それを見た世間が「ほら、やっぱり老害だ」と納得するのです。

したがって、「キレる年寄り」を生んでいるのは、高齢者を敬うことを忘れ、逆に厳しい言葉や冷たい態度で接している日本社会にほかなりません。このような排他的な攻撃性が蔓延しているのは、日本社会そのものが老化して「前頭葉バカ」になっているせいです。

そう考えると、「老害」という言葉を別の方向に拡大解釈したくもなってきます。真の老害は「キレる年寄り」などではありません。高齢者を理不尽に「老害」扱いして排除しようとする人々の言動こそが、むしろ現在の日本における最大の「老害」といえるのではないでしょうか。

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