このルールと同様に、「手数料3%以上(仮)を支払わなければならないポータルサイトを通じてふるさと納税を募集することを認めない」という強制力のある「お触れ」を出すことを検討してはどうか。自治体を経由しての間接規制で実効をあげようというのである。

その結果、「うまみがなくなった」と撤退する事業者が出ても、大きな問題にはなりそうにない。すでに、大手事業者の中には「手数料3%プラン」の導入を表明しているところもあり、手数料2.5%を発表している中小事業者もいる。仲介サイト事業者がまったくなくなるとは考えにくい。

ふるさと納税は、税金が原資だけに、もうけ優先の民間事業者に食い物にされることだけはあってはならない。

自治体に「縁もゆかりもある人」に優遇措置を

もう一つ検討されてよいのが、当該自治体を真に応援したい人と、返礼品だけが目当ての利用者を差別化する仕組みの導入だ。

当該自治体の出身、親兄弟や親族が居住、長期の滞在経験といった「縁もゆかりもある人」とそうでない人との間で、返礼品などの受容サービスに大きな格差をつけるのである。

総務省が本格導入を目指している「ふるさと住民登録制度」も、一つの目安になるだろう。実際に住んでいなくても当該地域と継続的に関わる人(いわゆる「関係人口」)を「ふるさと住民」として登録し、地域活動の担い手を増やすことを狙いにしている。

「縁もゆかりもある人」はリピーターになることが期待されるだけに、一過性の返礼品目当ての寄附者よりも優遇することはあってしかるべきだ。

実は、自治体の中には、中長期にわたる地域の活性化を目指して、すでに同様の制度を検討しているところが少なからずあるという。

制度の持続的発展のために

2008年にスタートしたふるさと納税は、まもなく20年の節目を迎える。

制度の原点に立ち返れば、寄付金の大半が自治体や地域に落ちるのが理想だ。

総務省は、自治体の財源となる「真水」の割合を増やそうとしているが、返礼品の生産者や製造者の多くは地場の事業者だから、調達費は地場産業の収益に直結しており当該地域で吸収される「お金」と捉えることもできる。

したがって、2割を超える仲介ポータル事業者への支払いが限りなくゼロに近づけば、送付費などの絶対必要経費を除くと9割程度が地域に入る計算になり、ふるさと納税の本来の姿にかなうことになる。

健全な持続的発展のためには、制度の抜本的改革は避けて通れない。

ただ、返礼品が縮小・全廃されれば寄付者のインセンティブは激減するし、まして制度が廃止されれば自治体も地場産業も立ち往生してしまう。

そんな不幸な事態にならないために、総務省には抜本的改革に向けた英断が期待される。また、目先の寄付金獲得に奔走する自治体は地域活性化に向けた意識改革が不可欠で、寄付者にはふるさと納税の意味や意義をあらためて考えることが求められよう。

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