危機意識持つサウジアラビア

こんな途方もないプロジェクトが進行中なのも、急激な変貌も、ムハンマド皇太子の独裁的な権力があるからです。

ムハンマド皇太子
ムハンマド皇太子(画像=Saudi Press Agency/CC-BY-SA-4.0/Wikimedia Commons

それが「ビジョン2030」です。ムハンマド皇太子の鶴の一声で始まりました。紅海リゾートやホテルなどの観光施設を建設して海外からの投資を招き、非石油部門の政府収入を、現在の1630億リヤル(約6兆5200億円)から1兆リヤル(約40兆円)に増やすという国家計画です。

サウジアラビアは豊富な石油資源に恵まれて豊かな国となりましたが、世界が脱オイル、つまりカーボンニュートラルに舵を切れば、いずれ石油が売れなくなる。それまでに産業構造を変えなければならない。観光客を受け入れ、世界から投資を受ける国にしなければならない。そのためには伝統的というよりは固陋なシステムを改革しなければならないと判断したのです。

そこで伝統的なイスラム世界を守ろうとした抵抗勢力は一掃されてしまいました。

サウジアラビアは日本から遠い国ですが、大量の石油を輸入しています。アラブ諸国で唯一G20に参加しています。サウジアラビア抜きでは日本の経済発展は考えられないという関係なのです。

カーバ神殿、メッカ
写真=iStock.com/orhandurgut
※写真はイメージです
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