1年で1000万円以上稼いだ女性

新卒で、60歳で採用された社員もいる。企業の定年間近に専門学校に通って資格を取り、新たな仕事に賭けようという気概のある人たちや、看護師や作業療法士など病院で働いていた人たちが、最後まで寄り添いたいと資格を取得し、入社してくる例もある。フレアスでは80歳の施術師が活躍している。60歳入社でも20年は働けるのだ。

さらには働き方をフレキシブルに選べるというのも、新卒に限らず、社員にとっても大きな魅力だ。

「ある女性から稼ぎたいので、業務委託にしてほしいと言われました。業務委託は社員でないので、働きたい放題。彼女は1年で2000万円以上売り上げ、1000万円以上の収入を得て結婚資金を貯めました。一旦、業務委託になっても、社員に戻るのも可能ですし、男性で育休取得も促進しています。働き方はフレキシブルだと思います。日本全国どこでも、本人が暮らしたい場所を選んで働けるのも、うちならではです」(澤登社長)

フレアス人事部長 副島志野さん
撮影=プレジデントオンライン編集部
フレアス人事部長 副島志野さん

部長の副島志野さんに、この業界の離職率についてうかがうと、フレアスの稀有さがより鮮明になった。

「あんま鍼灸師の業界では公式の統計はないのですが、離職率は約30%と推定されています。そんな中、うちの離職率は7%で、10%を切っています。これは前からではなく、安定的な給与とボーナス、18時以降の残業禁止、週休2日制など、管理体制が確立されてからの数字だという認識です」

最大の修羅場からの再挑戦

昨年、澤登さんが起業して以来、最大の修羅場を経験したことは前編で詳しく書いた。老人ホームを建て、終末期の人のホスピス事業に果敢に乗り出した矢先、同業他社の不正が発覚したのだ。

その結果、診療報酬が3〜5割下がり事業譲渡するしかなくなった。

事業譲渡後は過去最高の収益となり、危機は去った。再び、自分たちのビジョンに向かって進んでいこう。原点に戻り、再挑戦しようという新たなフェーズに入ったのだ。

「マッサージは全体の高齢者からすると全然足りていないので、早く、多くの人に広げていきたい。全国に441カ所の営業所があるので、ここをプラットフォームとして、総合的に在宅療養を支える会社になりたいですね。働く人も前向きに介護を支え、利用者と双方にとって、プライドが持てるような環境を作っていきたいですね」

ここに、介護業界の確かな“希望”がある。介護という苦行しか思い浮かばない領域に、まさに“光”を届けてくれる営みだ。この貴重な営みを社会全体で支えていくべきだと、超高齢化社会まっしぐらのこの国に生きる者として思わずにはいられない。

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