31年ぶりの政策金利1%――。そんな見出しが躍っている。為替やローン、そしてあなたの資産はどうなるのか? ニュースの正しい読み解き方を、ベテランFPと運用のプロに聞いた。
【Q5】退職金は預金や国債だけで増やせる時代に戻った?

リスクが低い運用先の選択肢は広がった

【深野】金利はこのままずっと上がり続けることはありません。Q1Q4でも述べた通り、もし政策金利1.5%前後がピークだとすれば、預金や国債だけで老後資金を増やすのは難しいでしょう。やはり株式や投資信託なども活用する必要があります。

とはいえ、「金利のある世界」が戻ってきたことで、退職金の運用戦略に関しては確実にアップデートできます。これまでのように、「金利がゼロだから、仕方なく株などのリスク資産に偏らざるをえない」という状況ではなくなりました。これからの老後マネーの常識は、リスク資産の比率を減らして、安全に運用できる商品(預金や債券)を選ぶことです。

退職金のような大切なお金は、「守り」と「攻め」をバランスよく組み合わせるのが肝心です。守りの資産(預金や国内債券など)にとっては、金利上昇が強い味方になります。ここで債券の基本を押さえておきましょう。債券は金利が上がると価格が下がるため、すでに保有している人は値下がり(評価損)を抱えます。ただし満期まで持ち切れば、価格がどう動いていても額面通りのお金が戻り、約束された利息も受け取れます。途中で売るつもりがなければ、日々の値動きに一喜一憂する必要はありません。

(構成=向山 勇)