相続した実家は「三極化」の中にある
私は長年、不動産業界にかかわっており、現在は相続した物件の売却や活用方法について相談に乗るコンサルタントをしています。相続の際に「親の家を相続することになった。もしかしたら大きな財産になるかもしれない」と思っている方ほど、現実とのギャップに戸惑う傾向があります。
私の実感では、現在の日本の不動産は「三極化」しています。
まず1つめが、「黙っていても高く売れる」という物件。そして2つめが、「適正な価格なら売れる」物件。そして最後が、「売れない」物件です。
物件という同じ言葉でくくられていても、都心の駅近マンションと、駅からバスで20分の戸建てでは、資産としてはまったくの別物です。
同じ相続という出来事でも、ある人には大きな臨時収入になり、ある人には維持費の支払いをするだけの負債にもなりえるのです。そのため「相続を行う前から、どうしておくか」を考えておくことが重要です。
10年で倍になる町と下がり続ける町
先ほど述べた3つのカテゴリの価格は、年々開き続けています。
下の図は、2015年から25年までの関東地方における公示価格の上昇・下落率のランキングです。
上昇率の1位は横浜市西区。1平方メートルあたり約100万円だった平均価格が約192万円へ、実に93%の上昇です。2位の台東区、3位の渋谷区も9割近く上がっており、1平方メートル約263万円が約499万円になりました。港区は約295万円が約508万円へ、中央区も約602万円が約1012万円と、もともと高かった土地はさらに高騰しています。こうして見てみると、上昇率の上位は「誰もが知っている町」であることがわかります。
一方の下落率を見てみると、1位は群馬県の甘楽郡下仁田町でマイナス33%。栃木県の芳賀郡茂木町、那須烏山市と続きますが、率直に言って、首都圏にお住まいの方には場所がすぐに思い浮かばないところが多いのではないでしょうか。もともと1平方メートルあたり1万〜3万円台だった土地が、そこからさらに2〜3割下がっていることになります。
もしあなたが地方の実家を相続して、「今は安いから、値段が上がるのを待とう」と思っていたとしても、待った分だけ安くなってしまった、という結果になる可能性もあります。
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