あえて「集合」の機会を増やし孤独を防ぐ
そんな中、今年は28名の新卒社員を得た。新卒とは専門学校や視覚支援学校を卒業し、資格を取得したばかりの4月入社の社員を指す。社長の澤登さんが「経験がないからこその、手厚いフォローアップがある」と言うように、新卒者を社として支える体制が作られている。鈴木さんが教えてくれた。
「同期制度を重視していまして、入社式には全国からメンバーを東京に呼んで、そこから2週間、合同研修を実施します。横のつながりが、ここで作られます。事業所では新卒は一人、訪問の仕事も一日中、一人で行うので、そういう意味では孤独です。孤立しないようにエリアごとに定期的に集まり、半年ごとには全員が東京に集まるなど、あえて、“集合”を意識しています。年間6回、アンケートを実施して困っていることを吸い上げるなど、人事が主導して細やかにフォローアップしています」
医療保険による訪問マッサージゆえ、平均2年から3年の関わりとなる。終了は本人が亡くなるか、入院するか。家族のように関わっていただけに、亡くなった場合のショックは大きい。メンタルのサポートも社内では整っているというが、新卒者にとってダメージは大きいのではないか。鈴木さんはあえて、首を振る。
「新卒の志望動機はしっかりと聞いて、とても大事にしています。祖父母とよく接していたとか、地域貢献をしたいとか、自信を持って、この仕事に携わりたいと決めた子たちです。関わった高齢者が亡くなることを含め、覚悟を持って入社していますので、20代の子でも芯を強く持って仕事をしています」
視覚障害者を転勤させる意図
収入や待遇面も大きい。街の治療院では、ボーナスが1万円という現実が実際にある。しかし、フレアスでは初任給が年300万円超、ボーナスもきちんとあり、社会保障、退職金制度も充実している。
ある新卒の視覚障害者を、澤登さんは「自立しようよ」と自宅から出して沖縄へ赴任させた。彼はやがて職場結婚をした。また地元で家を建てた人もいるという。フレアスでは視覚障害者であっても結婚し、家を持つことが可能なのだ。そうして建てた家は社員から、「フレアス御殿」と呼ばれている。

