城内には個性的なレア石垣も
ここまででも充分に「お腹いっぱい」だが、まだまだ石垣があるのが観音寺城。しかもここまでとはまるでタイプが異なる、レアなものが二つ。
ひとつは、大石垣から少し谷側に入り込んだ「伝・木村丸」。一見、何の変哲もない石垣に見えるが……。
近づいてみると、そのレアな構造に気づくことができる。石垣の一部がトンネルのようにくり抜かれている。城用語でいう「埋み門」だ。
敵に気づかれないように内外を出入りできる、「隠し扉」のような存在が埋み門。有名なところでは姫路城の「るの門」がそうだが、山城ではかなり珍しいのではないだろうか。土造りだとなかなか構造的に難しいし、石垣で囲まれた曲輪は山城ではなかなか存在しない。
レアな石垣をもうひとつ。こちらは「伝・平井丸」から、西側の急斜面を数10m下った場所に突如、現れる。
二段になっているのは高さを稼ぐためだと思われる。このパターンは比較的よくあるが、この石垣は不思議なことに、扇状にずれているのだ。片方の突端は、上下ともに角がそろっていて、逆側は離れている。この石垣の存在は以前、発掘調査に携わった方に案内していただいたのだが、その方も「他の城でも見たことがないし、目的は謎」とのことだった。
「伝・平井丸」からの急斜面、縄張図には点線があり、かつては登城路があったのかもしれない(現在は道なき急斜面のため要注意)。この道を登ってくる敵を食い止めるためだとすれば、その場所自体は納得が行くのだが……。



