今も狙われている「ルールの隙間」
一方、マンチェスターUには、ユベントスとの密約は言わず、「ポグバを手に入れるためには史上最高レベルの移籍金が必要だ」と説得した可能性が高い。マンチェスターUはライオラへ1940万ユーロ(約22億円)を2020年9月までに5回分割で払うことで同意した。さらにポグバ本人が支払うはずだった代理人報酬まで、マンチェスターUが肩代わりし、最終的な支払総額は約2200万ユーロ(約25億円)に達した。
FIFAは「フットボールリークス」の告発を受け、法廷に持ち込むことも検討したが、イタリア側で証拠を集められず、英国側では法的にグレーであることから、訴訟を断念した。冒頭に触れたように、FIFAがルールを改定したため、もはや同じことはできない。また、ライオラは2022年4月に病気で亡くなった。
だが、ルールの隙間を狙う代理人は、今も数多く存在する。サッカーが巨大なマネーを生む限り、移籍市場の裏側での攻防は終わらない。これからも「サッカー界のマフィア」たちは、良くも悪くも、サッカーマネーの地政学を語るうえで欠かせない存在であり続けるだろう。



