一方的な要求を受け入れるべきではない

自衛隊と米軍の連携が従来以上に緊密になり、反撃能力の整備や弾薬備蓄の拡充も進む中で、防衛費増額をめぐっては日本国内でも当然さまざまな意見が存在する。

安全保障環境の変化を踏まえて防衛力強化は必須とする声がある一方で、財政負担の増加は懸念される。少子高齢化が止まらない状況で、社会保障や教育に関する予算とのバランスをどうとるかという課題も大きい。防衛費をどこまで増やすべきかについては、今後も議論を尽くさなければならない。

しかしいずれにせよ、米国から提示された3.5%という要求を日本はそのまま受け入れるべきではない。必要なのは、米国から示された数字を目標とすることではなく、自国の安全保障環境に基づいて必要な防衛力を整備することである。

中国の軍事力増強や北朝鮮の核・ミサイル開発を踏まえれば、防衛力強化は引き続き欠かせない。一方で、防衛費の水準はGDP比という単純な数値目標ではなく、必要な能力と運用構想から積み上げて判断すべきだろう。

防衛費は同盟国への支払いではなく、日本自身の安全を守るための投資である。3.5%という数字の妥当性を議論しても意味はなく、自国に必要な防衛力を明確にしたうえで、その実現に必要な予算を確保するという順序でなければならない。

米国との協力関係は今後も重要であり続ける。しかし、防衛力整備の基準は米国ではなく日本が決めるべきであり、それが主権国家として当然の姿勢ではないだろうか。

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