背景には中国との終わらない競争がある

前提として、米国による防衛費増額要求の背景には、中国との長期的な競争がある。

中国は海軍艦艇、航空戦力、ミサイル戦力の増強を進めてきた。台湾周辺では軍用機や艦艇による活動が活発化し、南シナ海では人工島の軍事利用も進む。こうした動きに対し、米国は国家安全保障戦略や国防戦略において中国を主要な戦略的競争相手として位置付けてきた。

近年の米国は、中国への対応に加え、欧州ではウクライナ支援、中東ではイランとの軍事緊張が続いている。複数の地域で安全保障上の課題を抱えるなか、同盟国に防衛力の強化を求めるとともに、インド太平洋の同盟国やパートナー国との防衛協力も深めてきた。