※本稿は、横井康孝『小さな会社は戦略が9割』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
父子2人、社員2人の小さな会社
努力しても報われない会社が生まれる背景には、必ずと言っていいほど戦略の欠如があります。これは単なる机上の理論ではなく、僕自身が現場で数多くの企業を見てきた事実であり、何より、僕自身がかつてまったく同じ地獄の中にいたからこそ断言できることです。
「努力しても報われない状態」は、僕にとって決して他人事ではありません。当社ユニフォームネクストも、かつてはまさにこの罠にどっぷりと浸かり、もがき苦しんでいました。
僕が大学卒業後に勤めていた総合スーパーを辞め、父親が創業したこの会社に入社したのは25歳のときです。当時の体制は、社長である父と社員2名、そこに僕が加わったわずか4名。地方の小さな会社としては、ごくありふれた、なんの後ろ盾もないスタートでした。
当社は、業務用ユニフォームを販売する会社です。メーカーが製造した商品を仕入れ、それを地域の企業やお店に販売するBtoBのビジネスモデルであり、自社で独自の製品を持っているわけではありません。基本的には、ライバルである他社とまったく同じ商品を扱う、差別化が非常に難しい業態でした。
早朝から飛び込み営業で走り回る日々
僕は入社してすぐ、先輩の背中を1週間だけ見た後、一人で新規開拓の営業に飛び込みました。
「この会社をもっと成長させたい」。その思いだけで、ただひたすらに走り回りました。そのためには、まずは何がなんでも売上を伸ばすしかない。そう信じて疑わず、早朝から車を走らせて飛び込み営業をし、夜遅くまで見積もりや発注の手配をし、現場の細かい調整から事務作業まで、できることは文字通りなんでもやりました。
採用もすべて僕が任されるようになり、熱意だけで口説き落として人を増やし、僕が30代半ばで社長になる頃には、組織は15名ほどになっていました。


