強者と弱者では「武器」も「設計図」も違う
実は、この戦略の恩恵を受けているのは僕たちだけではありません。誰もが知るような世界的なIT企業や、全国展開する大手ホテルチェーン、その他数多くの大企業の創業者の方たちも、会社にまだ力がなかった創業期には、このランチェスター戦略を徹底的に学び、自社の指針としていたことが知られています。
ランチェスター戦略の最も大きな特徴は、「強者の戦略」と「弱者の戦略」が明確に分けられている点にあります。世の中のビジネス書やメディアで語られる成功法則の多くは、実は資本や人員、ブランド力がある「強者」のための戦略です。なぜなら、ビジネス書を書いたり、マスコミで意見を求められたりするような成功者の多くは、すでに巨大な資本や組織を持つ「強者」の立場にいるからです。
しかし、僕たちのような小さな会社がそれをそのまま真似しても、決してうまくはいきません。そもそも持っている「武器」が根本的に違う以上、使うべき「設計図」もまったく別物でなければならないからです。
線引きは「シェア1位を持っているか」
ランチェスター戦略でいう「強者」とは、圧倒的な資本力や人材、ブランド力、広大な販売網を持つ大企業はもちろんのこと、ある特定の分野や地域において、すでに高いシェアを握っている企業のことを指します。つまり、会社全体の規模がそれほど大きくなくても、特定の領域で圧倒的な地位を築いているのであれば、その分野に関してはその会社が「強者」となります。
反対に、たとえ売上が数十億円あったとしても、シェアがナンバーワンでなければすべて「弱者」に分類されます。
そして例えば、ある特定の地域で圧倒的なシェアを持っている会社が、別の地域に進出したとします。もともとの本拠地では強者であっても、シェアの低い新天地では一転して「弱者」になります。このとき、自分の力を過信して本拠地と同じような「強者の戦い方」をすれば、その地域で先行しているライバルにあっという間に淘汰されてしまうでしょう。

