「成長」ではなく「膨張」していただけ

朝から晩まで身を粉にして働き、売上も上がっている。社員も一生懸命やってくれている。それなのに、月末になるたびに通帳の残高を見て肝を冷やす。正直に言えば、「この2億円という借金を、この先、返しきることなんてできるのだろうか」「もし何か一つ歯車が狂えば、この会社はあっという間に倒産してしまうのではないか」と、言い知れぬ恐怖に襲われたことは一度や二度ではありませんでした。

当時は、利益が出ないのはまだ自分たちの努力が足りないからだ、もっと営業件数を増やして売上を底上げしなければいけない、と本気で考えていました。他社でも扱える商品を販売している以上、価格競争に巻き込まれるのは避けられない。ユニフォームの販売という商売は、そもそも利益が出にくい構造なのだから仕方がない。そうやって、業界のせいにして自分を納得させようとしていた時期もありました。

しかし、経営の原則を学んだ今なら、はっきりとわかります。利益が残らない本当の原因は、業界の構造が悪かったからでも、僕たちの気合や努力が足りなかったからでもありませんでした。

確かに売上は伸び、人は増え、事業の幅は広がっていた。けれど、それは会社が強くなる本来の「成長」ではなかったのです。勝つための明確な方向(戦略)を定めないまま、ただ目の前の売上と仕事と事業が無秩序に増えていっただけ。

今振り返ると、あの頃の会社は筋肉を伴って「成長」していたのではなく、中身が伴わないまま風船のように、ただ危険なレベルで「膨張」していただけだったのです。

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写真=iStock.com/Galeanu Mihai
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「儲ける会社」に変貌できた必勝戦略

では、具体的にどんな設計図を描けば、僕たちのような弱者が着実に成果を上げることができるのか。その答えであり、僕が社長に就任した直後から現在に至るまで学び続けているのが「ランチェスター戦略」です。

正直にお話しすると、この戦略の重要性を本当に理解し、自社の業績が目に見えて変わり始めたとき、僕は「これは安易に他社には教えられないな」と本気で感じました。当時はブログなどで経営について発信していましたが、この戦略の中身については、あえて触れないようにしていた時期があります。

それくらい、実践した際の手応えが大きく、自分たちだけの「勝ち筋」として大切に守っておきたいと感じるほど、この法則は経営の本質を突いていました。