日本の防衛費は年々増え、2025年度は11兆円(GDP比2%)に達した。軍事ジャーナリストの宮田敦司氏は「トランプ大統領は『日米同盟は不公平』ととらえて、さらにGDP比3.5%まで引き上げるよう要求しているが、すでに日本は米国に対して、他国にはないものを十分提供している」という――。
米国が同盟国に求める「GDP比3.5%」
ドナルド・トランプ米大統領はかねて日本に対し、在日米軍駐留経費、いわゆる「思いやり予算」のさらなる負担を求めてきた。「守ってもらう以上、相応の費用を支払うべきだ」という主張は分かりやすく、米国内でも一定の支持を集めている。
2026年に入り、この議論は新たな段階へ入った。ピート・ヘグセス米国防長官は5月30日、シンガポールで開かれたアジア安全保障会議(シャングリラ会合)で、インド太平洋地域の同盟国に対し、防衛費をGDP比3.5%まで引き上げるよう求めた。応分の負担を負わない国とは関係を見直すとも示唆している。
この数字は唐突に出てきたわけではない。今年1月に発表された第二次トランプ政権の「国家防衛戦略(NDS)」において同盟・友好諸国に向けて提唱されたものだ。今回あらためてそれが打ち出された格好となる。
日本政府はもともと、防衛力強化のための経費と関連経費を合わせ、2027年度にGDP比2%を確保する方針だった。高市早苗政権はこれを前倒しし、2025年度補正予算で関連経費を積み増すことで、目標より2年早く2%に達したとの認識を示している。
現在、国内では安全保障関連3文書の改定に向けて議論の真っ最中だ。防衛費増額の是非は今回の改定で最大の焦点になるだろう。6月上旬にとりまとめられた自民党の提言案では、防衛費の具体的な増額目標は示していないものの他国が3〜3.5%を掲げる例が盛り込まれた。


