また、由比ガ浜中学校では「ULTLA」だけでなく、音楽、美術、技術・家庭科などを掛け合わせた独自教科「CTime」も導入されている。「CTime」とは、Create(創造)、Collaboration(協働)、Choose(選択)の頭文字をとったオリジナルの教科である。ここでも、「MY島ぞうり」づくりや学校紹介動画作成、お正月料理クッキング、専門学校での化粧体験、3Dプリンタで校舎づくりなど生徒たちの活動は広がっていった。
こうした特徴的な教科を取っ掛かりに、学びの楽しさや学校のおもしろさを感じられる機会を本校では大事にしているのだ。
「学び場(教室)」以外の集まる場所をつくった理由
登校した際に生徒が集まるのが「つどいスペース」だ。教科の学びは基本的に学年ごとに行うが、朝や帰りの時間は異年齢のホームグループ(HG)で集まる。異なる学年の生徒と仲良くなり、そこを居場所と感じる生徒も少なくない。
つどいスペースには、カラフルなクッションやぬいぐるみが並ぶ。目で見て和むだけでなく、少し重みのあるものなどもあり、お腹に抱えて気持ちを落ち着ける効果もある。奥にはパーティションで区切られたスペースがあり、他者と触れ合いたくない生徒はそこですごすこともできる。
ちなみに、こうしたクッションやぬいぐるみはこまめに洗濯をし、生徒たちの見えるところに干している。他者との接触が苦手な生徒も多いため、あえて清潔感を目に見えるように示している。
「1日の活動」を自分たちで決める
他にも、壁一面を海や森にし、柔らかな雰囲気を重視したカウンセリングルームや更衣室などの個室もあり、使用中以外は生徒がひとりになる部屋として使うこともできる。ハンモックが置かれているのも、ひとりになりたい生徒に向けた配慮だ。それぞれのコンディションに合わせて、落ち着ける居場所を設けている。
登校すると、今日の活動予定を個々の生徒が「学びの地図」に書き込む。「学びの地図」は生徒たちのスケジュール帳だ。今週の目標や各時間で何を学びたいかを記入する。学校生活に慣れていくために、「早起きして学校に行く」「前日のうちに準備をする」など生活面の目標を書く子も多い。また、生徒が記入した「学びの地図」をスタッフが確認し、毎日コメントを書き入れている。



