大切なのは「6年間」「3年間」ではない
由比ガ浜中学校の校舎の前には日々生徒が手入れをしている畑がある。苗を植えるところから収穫まで、スタッフとともに自分たちの手で行っている。これも生徒の「やってみたい」から始まったプロジェクトだ。
さらに、同好会や委員会を作ったり行事を設けたり。この学校では、何をするかを決めるのは生徒自身だ。
「不登校の子どもたちは“エネルギー切れ”の状態です。必要なことはエネルギーをためられる環境を用意し、時間をかけて待つこと。どのくらいの時間が必要かは、子どもによって異なります。だから、学校には3年間や6年間といった区切りがありますが、大事なことは学年に関係なくその子が充電され、ときが来た時に『これをやってみたい』と手を伸ばせる環境を準備しておくことだと思います」(岩田分校長)
由比ガ浜中学校の開校前、定員30人の枠に対し、説明会を申し込んだ児童・生徒の数は95人にのぼった。また、鎌倉市の不登校の児童・生徒数は2023年度時点で382人。こうした状況を受けて岩田分校長は、「由比ガ浜中学校を『特別な学校』とするのではなく、子どもが学びのハンドルを握る教育をあらゆる学校に広げていきたい」と続ける。
子どもが学校に合わせるのではなく、学校が子どもに合わせていく――。そんな転換が、今、求められている。


