「使う・貯める・増やす」3口座がベスト
複数ある銀行を見直すには、まず役割ごとに整理するといい。個人が銀行を利用する目的は、大まかに3つに分けられる。
① 生活費として「使う」口座
② 短期的な資金を「貯める」口座
③ 長期的に資産を「増やす」口座
最初の「使う」口座は、給料や年金などの収入を受け取り、そこからさまざまな支払いをするハブとなる存在だ。生活費を引き出すほか、公共料金や各種保険料、クレジットカードやサブスクの利用料金が引き落とされたり、別口座への振り替えなどもここから行う。
多額の資金が滞留することはないので、金利にこだわる必要はなく、それよりも利用できるATMが多いとか、振込手数料が安いなどの使い勝手を重視したほうがいい。また、給料もしくは年金受け取り口座に指定することで、引き出し手数料の無料回数が増えるといった優遇をしている銀行が多いので、それも確認しておきたい。
次の「貯める口座」は、車の買い替えやマイホーム資金など、使う時期と用途がある程度決まっている資金を作るためのもの。基本的に引き出すことはなく、積立残高が増えていくので、金利の高い銀行を選ぶべきだ。金利で選ぶとネット銀行が候補になるだろう。ただし、冒頭に書いたように、魅力的な金利というだけでつまみ食いのように口座を増やすのはよくない。ネット銀行はせいぜい2行程度にしておきたい。
年金生活前に見直したい「経済圏」
「増やす口座」は、老後資金など長期にわたって資産形成を行うための口座で、今どきでいえば投信積立用の買い付け資金の置き所や、クレカ積立の決済元にあたる。NISA利用者には証券口座と連携すると預金金利が優遇されるネット銀行などが人気だ。
本来は、短期で「貯める」、長期で「増やす」お金は別にしたほうがいいのだが、最近は共通ポイントを横ぐしに顧客を囲い込む「経済圏」方式の人気が高い。日ごろからキャッシュレス決済を使い、ポイントを積極的に貯めたい人は、「ポイント経済圏」重視で、「使う」「貯める」「増やす」口座を併用するのもいい。
同じポイントが貯まる金融グループで固める方法は、まだ資産形成の途中という年代ならメリットは大きいだろう。ただし、年金生活が近づいてくると、別の視点が必要だ。
70代までに口座は「2つ」が目安
現役時代も終盤となり、人生の後半戦に突入すると、人は終活を意識し始める。同じく、銀行口座の終活も視野に入ってくる。
先にも書いたが、金融取引もオンライン化が進み、口座が多ければ多いほどIDやパスワード等の数も増える。管理も煩雑になる一方だ。また、年金生活に入ればライフスタイルも変わり、お金の使い方も変わってくる。老後に合わせて口座を取捨選択し、トータルの数を減らしていきたい。

