不透明な時代に立ち返るべきシンプルな原則
コントロールできないことに悩まない
「コントロールできることに集中し、コントロールできないことに悩まない」。結局のところ、これ以上の人生戦略はない。
不透明さが常態化した時代に生きていると、不安を煽るニュースや未来予測に振り回されがち。だが、そういうときこそ立ち返るべきは、シンプルな原則。
私たちが確実に手を加えられる領域は限られている。
たとえば、人とのつながりを大切にし、それを広げ、深めていくこと。そこから信用や信頼が積み重なり、長期的な財産となる。あるいは、自らの知識や経験、能力を高めるために時間やエネルギーを投じる。これらは間違いなく、自分の意思で築ける領域。
さらにいえば、良い習慣を意識的に身につけることもそうだ。日々の小さな習慣がやがて大きな成果を生む。つまり「良い結果をもたらすであろう習慣」へとシフトする努力は、自分の手に委ねられた数少ないコントロール領域といえる。
加えて、健康を守ること、感情をプラスに維持することも同様だ。体調管理や心の状態は、最終的に自分にしか責任が取れない部分である。
大切なのは、「自身で何とかできること」にのみ焦点を合わせる姿勢。世の中には、自分の努力や意思ではどうにもならないことがあまりに多い。外部環境に右往左往させられず、目の前の「自分にできること」を一つひとつ積み重ねていくしかない。
勢いが勢いを呼ぶ
エネルギーを使い切ることによって
「その時、人生が動いた」としか
言いようのない瞬間が訪れる
エネルギーは貯め込むものではなく、出し尽くすもの。全力を出し切ったときにしか見えない景色があるからである。エネルギーは節約しようとすればかえって小さくなり、惜しみなく使えば倍加して返ってくる。
小学校の頃、プールの授業で全員が同じ方向を向いて歩くというものがあったけれども、あれを思い出してもらいたい。最初は水の抵抗が強く、思うように進めない。
けれども何周か回っているうちに、水は流れを帯び、やがて大きな渦となって加速し始める。立ち止まろうとしても止まれず、逆らおうとしても逆らえない。まさに「勢いが勢いを呼ぶ」瞬間。
人生やビジネスも同じ。最初の一歩、二歩は重たい。誰もが抵抗を感じ、心が折れそうになる。しかしその段階を越え、渦のような流れを生み出すことができれば、そこから先は自分でも驚くほどの加速度で物事が進み始める。努力が努力を呼び、成果が成果を呼び、引力が新たな人や資源を巻き込んでいく。
この流れが起きたとき、人は「自分の人生でありながら、自分の力を超えた力に動かされている」感覚を味わう。これはエネルギーを出し尽くし、全力で渦を作り出した者だけが到達できる領域。
歴史に「その時、歴史が動いた」と呼ばれる瞬間があるように、個人にも「その時、人生が動いた」としか言いようのないタイミングが存在する。
そこに至る唯一の道は、出し惜しみせず、余力を残さず、エネルギーを使い切ること。

